市場統計

アプリ消費時間の10%、アプリ消費額の74%をモバイル・ゲームが占める

分析企業のApp Annieが、モバイルアプリ内のゲーム市場について新たなデータを発表した。発表によると、「全モバイル・ダウンロード数のうちの33%、そして、モバイル上における消費時間のうち10%がゲームから生じている」という。また、「ハイパーカジュアル(※1)とクロスプラットフォーム(※2)型ゲームの台頭により、アプリストアにおける全消費額の74%がゲームからもたらされている」とも発表している。

さらに、App Annieは、2019年、全ゲーム消費額(モバイル、コンソール、PCなど)のうち、モバイルゲームが占める割合は60%になると予測している。伝統的なゲーム業界で長年にわたり、見くびられてきた分野としては、悪くない数字と言えるだろう。

※1ハイパーカジュアル:ハイパーカジュアルゲームとは、開発に時間がかからず、シンプルなインターフェイスで、直感的にプレイできるゲームのこと。
※2 クロスプラットフォーム:ハードの垣根を超えてコンテンツを楽しむことができるプラットフォーム連携機能のこと。

2030年までにストリーミング収益が約4兆348億円になるとゴールドマン・サックスが予想

ゴールドマン・サックスが2017年に「Music In The Air」というレポートで、2030年までに有料ストリーミングから生まれる貿易収入は280億ドル(約3兆370億円)になるという予想を発表した際、興奮と同じくらい議論が沸き起こることとなった。

そのレポートの最新バージョンが発表され、2030年までに有料ストリーミングから生まれる収入予想は275億ドル(約2兆9,830億円)となり、以前よりも若干下がる結果となったものの、広告サポートによるストリーミング収益も足すと、ストリーミング貿易収入のトータルは、2030年までに372億ドル(4兆348億円)にまで成長するという。

また、ゴールドマン・サックスは、有料ストリーミング・サービスのユーザー数が、2023年までに6億9千万人、2030年までには11億5千万人になると予測している。ゴールドマン・サックスのレポートを読んだミュージック・ビジネス・ワールドワイド(MBW)によると、後者の68%が「新興市場」のユーザーだという。また、2030年においても、Spotifyは音楽ストリーミング・サブスクリプションにおけるシェアの32%を占めると予測されている。

今後、これらの数字が多くのカンファレンスなどで議論されたり、使用されたりすることは想像に難くない。しかし、一つ懸念を示すとすれば、この数字のタイムスケール感だろう。例えば、Spotifyのローンチ前の2008年に出されたレポートのうち、2019年の音楽市場について正確に予測することができていたものは何本あるだろうか。

控えめに言っても、2030年における市場予想の数字を2019年に発表することは性急であると言える。しかし、投資家の信頼を高めるものとしては、ゴールドマン・サックスのレポートがその短期的目標を果たすことは間違いないだろう。

「サブスクリプション疲れ」はまだ米国に打撃を与えていない

最近、潜在的な課題として「サブスクリプション疲れ」への懸念が議論されることが増えている。「サブスクリプション疲れ」とは、人々が、様々なデジタル / エンタテインメントのサブスクリプションにお金を払いすぎていると考え、それ以上増やすことに反対し始めるポイントのことだ。調査会社のeMarketerは、最新レポートで、まだサブスクリプション疲れは起きていないと分析している。

「アメリカ人の3分の1以上が今後2年間で使用しているサブスクリプション・サービスの数を増やすことになると考えているという結果が出ています」とeMarketerは述べている。

現在、アメリカ人は平均して3つのサブスクリプション・サービスに登録しており、5年前の2.4という数字からも増えている。

アメリカでは、回答者の57%がテレビや動画オンデマンド・サービスの使用に興味を持っていると回答し、38%が音楽サブスクリプション・サービスの使用に興味を持っていると答えたという。

この数字は、米国における音楽サブスクリプション成長の可能性の上限を表しているとも考えられるかもしれない。しかし、YouTubeやPandora、Spotifyなどのサービスは、サービスにお金を支払っていないユーザー(ちなみにこの層はアメリカの人口の62%だと言われている)でも、広告サポートで音楽を聴くことにより、収益化は可能だと主張するだろう。

サブスクリプション課金技術に関わる企業のZuoraによる調査では、中国における回答者の53%が、今後2年間で、使用するサブスクリプション・サービスの数が増えると思うと回答したという。より多くの人が音楽にお金を支払うようになることを望んでいる中国の音楽市場にとっては励みになる回答だと言えるだろう。

中国のスマートスピーカー出荷台数が米国を追い越す

2019年第1四半期、米国におけるスマートスピーカーの出荷台数は、前年比22%増の500万台になったと調査会社のCanalysが発表した。しかし、アメリカはもはや世界最大のスマートスピーカー市場ではなく、中国に追い抜かれたという。2019年第1四半期の中国におけるスマートスピーカーの出荷台数は、なんと前年比489%もの成長となる1,060万台となった。

世界中におけるスマートスピーカー出荷総台数のうち、中国は実に51%を占めたことになる。中国市場の成長は、スマートスピーカー製造元のシェア率にも反映されてきている。アマゾンが460万台、グーグルが350万台と、まだトップを占めてはいるものの、中国企業のBaiduは330万台、アリババは320万台、Xiaomiも320万台と、ランキングを追い上げる形となっている。今後、これら中国企業がアマゾンやグーグルのシェア率を上回る日も近いかもしれない。

中国の規模を考えると、そこまで衝撃的ではないかもしれない。しかし、無料でストリーミングしているユーザーに有料サービスを使うよう説得する役割も含めて、今後スマートスピーカーが中国市場における音楽ストリーミング・サービスの発展に寄与していくことは間違いないだろう。

また、Canalysのデータは、世界規模における拡大という観点で、スマートスピーカー市場がまだまだ初期段階にあることを如実に表している。2019年第1四半期における出荷総数のうち、80%を中国、アメリカ、イギリスの三ヶ国が占める結果となった。Canalysは、2019年末までに、世界で2億790万台のスマートスピーカーが使用されるようになり、そのうち8,770万台がアメリカ、そのうち5,990万台が中国で使用されると予測している。そうなれば、世界のインストール・ベースの71%をアメリカと中国の二カ国が占める形となる。

ちなみに、2018年12月に電通デジタルによって公開された「スマートスピーカー利用実態調査」によると、日本におけるスマートスピーカーの認知率は約76%、普及率は6%となっている。

Spotifyウィル・ペイジ氏が2017年における世界の音楽に関わる著作権ビジネスの価値を発表

IFPI(国際レコード産業連盟)による年次レポートでは、2018年における世界の録音原盤総収益は2017年の174億ドルから、9.7%成長の191億ドル(約2兆1,400億円)となったことが発表された。もちろんこの数字は、世界の音楽に関わる著作権ビジネスの総額の一部を表しているに過ぎない。

Spotifyのチーフ・エコノミストであるウィル・ペイジ氏は2014年から毎年、世界中における音楽著作権の価値を調査・発表してきており、2017年の調査結果が音楽業界専門サイトのミュージック・ビジネス・ワールドワイドを通して新たに公開された。

2017年における世界の音楽著作権全体の収益は281億ドル(約3兆1,470億円)となり、2016年の261億ドル(約2兆9,230億円)から7.6%の成長となった。2017年における数字の内訳としては、レーベル収益が165億5千万ドル(約1兆8,543億円)、出版社の直接収益が22億ドル(約2,463億5,600万円)、作詞作曲家の集中管理団体(CMO)収益が93億7千万ドル(約1兆492億5千万円)となっている。

ペイジ氏は、アメリカやイギリスなどの主要市場で「所有型(CDやダウンロードなど)」からの収益がピークに達した時として、2012年が世界の音楽ビジネスのターニングポイントだったと述べている。

「所有型がいまだにビジネス全体の40%近くを占めているイギリスでは、2012年以降、レーベル収益が20%近く成長しています。当時、イギリスの著作権管理団体であるPRS for Musicによるデジタルの徴収額はおよそ5千万ポンド(約73億円)だったと公表されており、現在では1億2千万ポンド(約175億4,640万円)を突破しています。アメリカにおいては、所有型が今では全体のビジネスのおよそ20%とはるかに少なくなってきており、市場は40%の成長を見せています。この数字は、イギリスの成長率の二倍近くにもなります。」

ペイジ氏は、測定したすべての分野において、成長率が2015年(前年より10億ドル=約1112億円増加)、2016年(前年より15億ドル=約1,680億円増加)、2017年(前年より20億ドル=約2,240億円増加)と続けて急速に成長したとコメントしている。

2018年、レーベル無所属アーティストが約716億円の収益を生み出したと調査会社が報告

来月には、国際レコード産業連盟(IFPI)が2018年における音楽業界の動向をまとめた『Global Music Report』を発表する予定だが、例年通り、調査会社のMidia Researchが一足早く、独自の予測レポートを発表した。

レポートによると、2018年の世界録音原盤収益は7.9%成長の189億ドル(約2兆1,053億円)となり、成長スピードはわずかに減速したものの、ドルベースでは確実に成長しており、増収益は14億ドル(約1,559億円)となった。成長を牽引するのはやはりストリーミングであり、2017年に引き続き、2018年も新たに22億ドル(約2,450億円)の純収益が追加されたという。

来月にはこれらの数字がIFPIによって公式に発表されることになる。しかし、IFPIが公表したがらないカテゴリーに、「アーティストによる直接収益」がある。レーベルに所属することなく活動しているアーティストによる収益だ。

Midia Researchは、2018年、アーティストによる直接収益は世界の録音原盤市場の3%を占める6億4,300万ドル(約716億円)となり、総市場の4倍近くも早い成長スピードとなったと予測している。

レーベルも加えると、世界の総収益の30.8%をインディペンデントが占める結果になったとMidia Researchは主張しているが、同時に、それがディストリビューション・ベースの話であることも強調した。つまり、メジャーが管理するディストリビューターを通じて配信されているインディー・レーベルは、メジャー・レーベルのシェアとしてカウントされているということだ。

メジャー・レーベルのシェアとしては、ユニバーサルが0.6%成長の31%、ソニーが1.5%減少の21%、ワーナーが0.6%成長の18%と予測されている。