2019年第1四半期、米国におけるスマートスピーカーの出荷台数は、前年比22%増の500万台になったと調査会社のCanalysが発表した。しかし、アメリカはもはや世界最大のスマートスピーカー市場ではなく、中国に追い抜かれたという。2019年第1四半期の中国におけるスマートスピーカーの出荷台数は、なんと前年比489%もの成長となる1,060万台となった。

世界中におけるスマートスピーカー出荷総台数のうち、中国は実に51%を占めたことになる。中国市場の成長は、スマートスピーカー製造元のシェア率にも反映されてきている。アマゾンが460万台、グーグルが350万台と、まだトップを占めてはいるものの、中国企業のBaiduは330万台、アリババは320万台、Xiaomiも320万台と、ランキングを追い上げる形となっている。今後、これら中国企業がアマゾンやグーグルのシェア率を上回る日も近いかもしれない。

中国の規模を考えると、そこまで衝撃的ではないかもしれない。しかし、無料でストリーミングしているユーザーに有料サービスを使うよう説得する役割も含めて、今後スマートスピーカーが中国市場における音楽ストリーミング・サービスの発展に寄与していくことは間違いないだろう。

また、Canalysのデータは、世界規模における拡大という観点で、スマートスピーカー市場がまだまだ初期段階にあることを如実に表している。2019年第1四半期における出荷総数のうち、80%を中国、アメリカ、イギリスの三ヶ国が占める結果となった。Canalysは、2019年末までに、世界で2億790万台のスマートスピーカーが使用されるようになり、そのうち8,770万台がアメリカ、そのうち5,990万台が中国で使用されると予測している。そうなれば、世界のインストール・ベースの71%をアメリカと中国の二カ国が占める形となる。

ちなみに、2018年12月に電通デジタルによって公開された「スマートスピーカー利用実態調査」によると、日本におけるスマートスピーカーの認知率は約76%、普及率は6%となっている。