アマゾン

アマゾンが無料・広告サポート型の音楽サービスをローンチすると噂

アマゾンが、無料型音楽ストリーミング・サービスをローンチする話が出ているという。

アマゾンにはすでに、プライム・ミュージックという、プライム会員に登録しているユーザーであれば、無料で使用できるサービスを展開している。しかし、プライム会員になるためには会員費がかかるため、プライム・サービスは音楽業界の指標では一応「サブスクリプション型」に当てはまる。ちなみに、米国ではAmazon Music Unlimitedのようなフルのオンデマンド・サービスと区別するため、プライム・サービスは「限定的サブスクリプション層」に分類されているという。

プライム・ミュージックは無料ではなく、広告サポートによって運営されているわけではない。アマゾンは今回新たに、音楽ストリーミング・サービスとして、無料かつ広告サポートによるプランを公開するかもしれないというのだ。

「アマゾンは無料・広告サポート型の音楽サービスをローンチするための議論を開始している」として、ビルボードは「世界最大のEC企業であるアマゾンは、無料音楽サービスを自社のスマートスピーカーであるEcho商品を通じて宣伝し、限定的なカタログを提供するでしょう」と報じている。

さらに、無料サービス展開にあたり、「無料音楽のライセンスを取得するため、アマゾンは広告の売り上げに関わらず、最初はストリーミング再生回数ごとに支払いをすることをレコードレーベル数社に申し出ている」とビルボードは報じている。アマゾンは、これまでにも長期的に規模を拡大するためには、短期の損失は厭わない姿勢を見せてきており、今回の戦略も驚くべきことではない。

調査会社であるStrategy Analytics社の最新統計によると、アマゾンは2018年、世界的にスマートスピーカーのEcho商品を2,970万台出荷したという。また、アメリカ国内に限って言えば、調査会社のeMarketerは、今年、7,420万人のアメリカ人がスマートスピーカーを使用すると予測しており、その中の63.3%、つまりおよそ4,700万人がEcho商品を使用すると見ている。

スマートスピーカー上における無料音楽は、今に始まったことではない。Google Homeは2017年8月にはSpotify無料プランのサポートを始めている。また、Spotifyも、2018年11月にSpotify Connectという技術を用いて、スマートスピーカー上で無料プランのユーザーでもSpotifyを利用できるようにしている。

しかし、アマゾンのEcho商品上でSpotifyを聴くには、いまだにプレミアム・プランに登録する必要がある。そういった観点から、アマゾンによる無料・広告サポートのサービスは、競争上優位になる可能性があると言えるだろう。

ウォーレン議員、大手テクノロジー企業解体による音楽ストリーミング業界への影響

2020年の米大統領選への出馬表明をしたエリザベス・ウォーレン上院議員は、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字)と呼ばれる大手IT企業の解体を公約としている。

議論の中心となっているのは、アプリのストア、検索エンジン、ソーシャル・ネットワーク、スマートスピーカーなどのプラットフォームを運営・開発している企業が、提供しているサービスを通じてアクセスされる第三者企業のサービスをどう管理しているかだ。特に、プラットフォーム管理企業と競合のサービスを提供する第三者企業に関して、懸念が示されている。

ウォーレン議員は、「今日の大手テクノロジー企業は、影響力を持ちすぎています。経済にも、社会にも、そして、民主主義にもです。これら企業は無理な競争を生み、利益のためにユーザーの個人情報を利用し、市場を独占してきました。そして、その過程で中小企業にダメージを与え、確信を阻害してきました。」と語っている。

アップル社についても、App StoreとApp Store内でアップル社が提供しているサービスを切り離す必要があると説いている。「App Storeを運営するか、App Store内でサービスを提供するか、どちらかに一つです。両方など、認められるべきではありません」とウォーレン議員は強調した。

「他社がサービスを売るために使うプラットフォームを運営しているのなら、そのプラットフォーム内で自社のサービスを売ることは、次の二つの理由から許されるべきではありません。一つ、自社で何を売るかを決める際、プラットフォーム上における、購入者および販売者全ての情報を手にすることで、優位性を保持できてしまうからです。もう一つは、プラットフォームを自社で運営するがために、自社の製品やサービスを他社よりも優先する可能があるからです。」

Apple MusicやAmazon Music、YouTube Musicと競合している、ストリーミング・サービスのみに特化したプラットフォーム(SpotifyやDeezer、Pandoraなど)との関連性は明らかだ。

もしこれらの大手テクノロジー企業が解体されたら、現在運営されているサービスやエンターテイメントのビジネスにはどのような影響が出るだろうか?また、Spotifyはどこまで大きくなったら、これら大手テクノロジー企業と同じように、管理責任を問われるようになるのだろうか?

今のところ、これらの概念はすべて大統領選出馬表明にあたる公約として発表されているだけであって、ウォーレン氏が当選すると決まったわけでもなければ、当選したとしても、実行されるとは限らない。

しかし、最も知名度の高い候補者の一人が、大手テクノロジー企業の解体を公約の前面に押し出してきたことは、エンターテインメント業界にとって、深く考慮すべき事案だろう。

アマゾン音声アシスタントAlexaに「Song ID」機能とチケット購入機能が追加

カセットテープが流行っていた時代には、家でラジオを録音するときに、音楽だけを録音できるよう、ちょうどDJが話し終えたタイミングで「録音」ボタンを押す技術が求められたことがあっただろう。ストリーミング世代に生まれた現代の子どもたちはもはやカセットテープの存在を知らないかもしれない。

しかし、興味深いことに、ラジオDJのように、アーティストや楽曲の名前をアナウンスする概念が、アマゾンの音声アシスタント「Alexa」を通じて復活しつつある。Alexaに「Song ID」と呼ばれる、楽曲再生前に曲名とアーティスト名をアナウンスする新機能が導入された。

テクノロジー・メディアの「The Verge」によると、新機能は、アマゾン・ミュージックのサービス内でのみ使用可能とのこと。Alexaに「Song IDをオンにして」「Song IDをオフにして」とコマンドすることにより、オン・オフを設定できるオプション機能となっているようだ。

音楽業界では、スマートスピーカーと音声アシスタントの普及について、音楽をプレイリストなど、流れで再生しているユーザーは曲名やアーティスト名すら知らないまま楽曲を聴くことになるのではという懸念が示されてきた。

今回の新機能は、この懸念に対処するものとも言えよう。ただ、「Song ID」が影響力を持ち始めるには、まず、ユーザーが機能の存在と使い方を知ることが必要不可欠になるだろう。

また、アマゾンは、世界最大の米チケット販売企業「Ticketmaster」と提携を組み、Alexaを搭載したデバイス上で音声を通じてライブやイベントのチケットを購入することを可能にしている。

現状、この機能はアメリカ市場のみに限られているが、Ticketmasterによれば、今後、さらに展開を拡大する予定があるという。

2018年、スマートスピーカーの出荷数が8,620万台に成長

調査会社のStrategy Analyticsによると、2018年におけるスマートスピーカーの出荷台数は前年比169%の成長を見せ、2017年には3,200万台だった出荷数が、2018年には8,620万台になったという。同社は、いまや世界中で、6,000万世帯以上が少なくとも1台のスマートスピーカーを所有していると予測している。

Strategy Analytics社が2018年に発表した全四半期レポートから分析すると、2018年出荷されたスマートスピーカーの内訳は次の通りだ。1位のアマゾン「Echo」製品は2,970万台、2位の「Google Home」製品は2,230万台、3位はなんとアップルではなく、中国バイドゥの650万台、アップル社「HomePod」製品は400万台と予測されている。

スマートスピーカーの売上が最も大きくなった昨年の最終四半期においては、アマゾンが全世界出荷台数の35.5%、グーグルが30%、中国アリババが7.3%、中国バイドゥが5.7%、中国シャオミが4.6%、アップルが4.1%という結果になった。

アマゾンとグーグルによる市場シェア確保の成功のカギとなったのは、「Echo Dot」や「Google Home Mini」低価格モデルだ。しかし、売上収益で言えば、アップル社などの高価格製品の方が実際に占める割合は高くなるかもしれない。

スマート・ディスプレイ(スクリーン付きのスマートスピーカー)製品はどうだろうか?Strategy Analytics社のデイヴィッド・ワトキンス氏は、「スマート・ディスプレイは2018年最終四半期における出荷総需要の10%以上を占め、2019年の市場成長を牽引するものと期待されています」と語った。

フェイスブック社製品の「Portal」は、昨年最終四半期のレポートには「その他」に分類され、詳しい数字が出ていないが、昨年11月に発売されたばかりであることを考えると、2019年第一四半期の発表で、より詳しい事情がわかるかもしれない。