市場統計

音声アシスタントの使用が「クリティカル・マス」に到達しているとeMarketerが発表

調査会社のeMarketerが、米国における音声アシスタント技術の使用に関する新たな統計を発表した。

「米国において今年は、昨年の1億200万人から9.5%増となる、1億1,180万人が最低でも月に一度は音声アシスタントを使用するだろうと我々は予測しています。これは、アメリカにおけるインターネットユーザーの39.4%、全人口の33.8%に相当する人数です。2021年までに、アメリカにおける音声アシスタントのユーザー数は1億2,270万人に達し、米インターネット・ユーザーの42.2%、米人口の36.6%に相当するようになるでしょう。」

ただ、これは、「音声アシスタントのユーザー数」であって、「スマートスピーカーのユーザー数」ではないことは注意する必要がある。「今日、ほとんどの人がスマートフォンやスマートスピーカー場で音声アシスタントを使用しています。かなりの差をつけて、スマートフォンでの利用が最も一般的となっています。」とeMarketerは発表している。

また、eMarketerの調査によると、アメリカでは、女性の34.4%、男性の33.3%が音声アシスタントを利用しているという。「初期の利用は、女性に若干偏っていましたが、音声アシスタントを利用する男性の割合も近年加速しています」とeMarketerは述べている。

ドイツでついにストリーミングの効果が現れ始める

日本と同じく、ドイツはデジタル革命のおかげではなく、堅実なフィジカル売上のおかげで、録音原盤市場における世界トップクラスの地位を維持してきた。しかし、フィジカルの強さのせいで、両国における音楽業界がストリーミングへの注力に尻込みすることに繋がったのもまた事実だ。ストリーミングによる共食いによって、CDの売上が下がることの方が、失うものが大きいと考えたからだ。そして、そのために、他国で起こっている、ストリーミングが牽引する市場再成長を見逃す羽目になった。しかし、Music Allyでは、ドイツと日本では、この再成長のタイミングが遅れているだけで、完全に無くなってしまったわけではないと考えている。

ドイツの業界団体であるBVMI(音楽産業連邦協会)が発表した最新統計は、この意見を支持しているようだ。2019年上半期、ドイツにおける録音原盤収益は前年同期比7.9%増となる7億8,320万ユーロ(950億6,600万円)となり、1993年以来最も高い成長率となったという。その中で、音楽ストリーミング収益は27.7%成長し、今や、ドイツにおける録音原盤収益の56.4%を占めているとのこと。ダウンロードと動画ストリーミングからの収益を追加すると、ドイツは現在、66%がデジタル市場となっている。

2018年の上半期、他国の多くが、成長への回帰を大々的に報じていた時期に、BVMIが録音原盤収益が前年同期比2%減となったことを発表したことと比較すると、かなりポジティブな数値になったと言えるだろう。しかし、今回、転換期を迎えたのは、音楽ストリーミングだけではなかった。実は、BVMIによると、2019年上半期、CDの売上も「わずかに安定した」とのことで、1年前の24.5%の減少と比べ、今年は11.7%の減少のみにとどまったという。

また、BVMIは引き続き、YouTubeの支払いレベルについて批判的であり、2019年上半期、「その他のデジタル」プラットフォーム(主に動画ストリーミング)からは、全体の収益の3%しか生まれなかったことを強調している。

アプリ最新統計情報:2019年上半期、TikTokのインストール数は3億回超え

分析企業のSensor Towerが、アプリ経済がどれほど成長しているか、どのアプリがその成長の恩恵を受けているのか、最新統計情報を発表した。

報告によると、「2019年上半期に、世界のApp StoreとGoogle Playにおいて、ユーザーがモバイル・アプリやゲームに費やした金額は総額で397億ドル(約4兆3,200億円)」となり、「2018年上半期344億ドル(約3兆7,430億円)より15.4%増となった」という。

2019年の消費額397億ドル(約4兆3,200億円)のうち、255億ドル(約2兆7,750億円)がアップル社のApp Storeにて、142億ドル(約1兆5,450億円)がGoogle Playにて消費されたとSensor Towerは考えている。「アプリの初回インストール」(アップデートなどの数は含まない)数は、合計567億回で、そのうちApp Storeが148億回、Google Playが419億回であったのにも関わらずだ。

つまり、アップル社とグーグル社二つのアプリ・ストアを合わせて考えると、アプリ総収益のうち、アップル社は64%強を占めたが、アプリのインストール数では26%しか占めていないことになる。Sensor Towerは、「App Storeは、Google Playの3分の1のインストール数で、Google Playのおよそ1.8倍近くの収益を生み出し続けている」と報告した。

Sensor Towerによると、2019年上半期、モバイル・ゲームにおける消費額は、App StoreとGoogle Playの両ストアにて、296億ドル(約3兆2,205億円)を占めたとのこと。つまり、全体のおよそ75%にもなる。

モバイル・ゲームで最も収益を上げたのは、中国テンセントによる「Honor of Kings」で、2019年上半期に7億2,800万ドル(約793億円)の消費を生み出したという。さらに、この数字はApp StoreとGoogle Playのみの数字であって、中国におけるAndroid向けのアプリ・ストアの統計情報は含まれていない。

アプリのダウンロード数ランキングでは、2019年上半期に最も世界的にダウンロードされた上位3つのアプリは、WhatsApp、メッセンジャー、フェイスブックとなった。ちなみに、4位はTikTok、5位がインスタグラムとなっている。Sensor Towerは、TikTokが「第2四半期において、TikTok最大の市場となっているインドで二週間禁止となったのにも関わらず」、2019年上半期における初回インストール数は3億4,400万回近かったと予測している。

2030年までにストリーミング収益が約4兆348億円になるとゴールドマン・サックスが予想

ゴールドマン・サックスが2017年に「Music In The Air」というレポートで、2030年までに有料ストリーミングから生まれる貿易収入は280億ドル(約3兆370億円)になるという予想を発表した際、興奮と同じくらい議論が沸き起こることとなった。

そのレポートの最新バージョンが発表され、2030年までに有料ストリーミングから生まれる収入予想は275億ドル(約2兆9,830億円)となり、以前よりも若干下がる結果となったものの、広告サポートによるストリーミング収益も足すと、ストリーミング貿易収入のトータルは、2030年までに372億ドル(4兆348億円)にまで成長するという。

また、ゴールドマン・サックスは、有料ストリーミング・サービスのユーザー数が、2023年までに6億9千万人、2030年までには11億5千万人になると予測している。ゴールドマン・サックスのレポートを読んだミュージック・ビジネス・ワールドワイド(MBW)によると、後者の68%が「新興市場」のユーザーだという。また、2030年においても、Spotifyは音楽ストリーミング・サブスクリプションにおけるシェアの32%を占めると予測されている。

今後、これらの数字が多くのカンファレンスなどで議論されたり、使用されたりすることは想像に難くない。しかし、一つ懸念を示すとすれば、この数字のタイムスケール感だろう。例えば、Spotifyのローンチ前の2008年に出されたレポートのうち、2019年の音楽市場について正確に予測することができていたものは何本あるだろうか。

控えめに言っても、2030年における市場予想の数字を2019年に発表することは性急であると言える。しかし、投資家の信頼を高めるものとしては、ゴールドマン・サックスのレポートがその短期的目標を果たすことは間違いないだろう。

Spotifyウィル・ペイジ氏が2017年における世界の音楽に関わる著作権ビジネスの価値を発表

IFPI(国際レコード産業連盟)による年次レポートでは、2018年における世界の録音原盤総収益は2017年の174億ドルから、9.7%成長の191億ドル(約2兆1,400億円)となったことが発表された。もちろんこの数字は、世界の音楽に関わる著作権ビジネスの総額の一部を表しているに過ぎない。

Spotifyのチーフ・エコノミストであるウィル・ペイジ氏は2014年から毎年、世界中における音楽著作権の価値を調査・発表してきており、2017年の調査結果が音楽業界専門サイトのミュージック・ビジネス・ワールドワイドを通して新たに公開された。

2017年における世界の音楽著作権全体の収益は281億ドル(約3兆1,470億円)となり、2016年の261億ドル(約2兆9,230億円)から7.6%の成長となった。2017年における数字の内訳としては、レーベル収益が165億5千万ドル(約1兆8,543億円)、出版社の直接収益が22億ドル(約2,463億5,600万円)、作詞作曲家の集中管理団体(CMO)収益が93億7千万ドル(約1兆492億5千万円)となっている。

ペイジ氏は、アメリカやイギリスなどの主要市場で「所有型(CDやダウンロードなど)」からの収益がピークに達した時として、2012年が世界の音楽ビジネスのターニングポイントだったと述べている。

「所有型がいまだにビジネス全体の40%近くを占めているイギリスでは、2012年以降、レーベル収益が20%近く成長しています。当時、イギリスの著作権管理団体であるPRS for Musicによるデジタルの徴収額はおよそ5千万ポンド(約73億円)だったと公表されており、現在では1億2千万ポンド(約175億4,640万円)を突破しています。アメリカにおいては、所有型が今では全体のビジネスのおよそ20%とはるかに少なくなってきており、市場は40%の成長を見せています。この数字は、イギリスの成長率の二倍近くにもなります。」

ペイジ氏は、測定したすべての分野において、成長率が2015年(前年より10億ドル=約1112億円増加)、2016年(前年より15億ドル=約1,680億円増加)、2017年(前年より20億ドル=約2,240億円増加)と続けて急速に成長したとコメントしている。

2018年、世界の録音原盤収益が9.7%成長したとIFPIが発表

IFPI(国際レコード産業連盟)が年次レポート「Global Music Report 2018」を発表した。レポートによると、2018年、世界の録音原盤収益は9.7%成長したとのことで、ストリーミング収益は、CDとダウンロードの収益減少を埋め合わせる以上の力強い成長を見せているという。

2017年には174億ドル(約1兆9,378億8,150万円)だった録音原盤総収益は、昨年191億ドル(約2兆1,272億1,500万円)まで成長し、録音原盤市場は世界的に四年連続の成長となった。

2018年、世界的なストリーミング収益は34%成長の89億ドル(約9,912億1,525万円)となり、全収益の47%を占めた。ストリーミング有料プランからの収益は32.9%成長し、およそ71億ドル(約7,907億4,475万円)となり、全収益の37%を占めるようになっている。

IFPIによると、昨年末時点で、ストリーミング・サービスの有料会員数は2億5,500万人いたという。2017年末時点の1億7,600万人から44.9%の成長だ。

フィジカルの売り上げは、前年比10.1%減となる47億ドル(5,234億5,075万円)となった。つまり、2001年の233億ドル(約2兆5,949億8千万円)から、フィジカルの音楽市場は80%近く価値を失ったことになる。IFPIによると、フィジカル内では、2018年、アナログレコードの売上が6%増加したと言う。

ダウンロードの売上とストリーミング以外のデジタル収益は21.2%減の23億ドル(約2,561億5,675万円)となった。一方、放送局や公共の場での音楽使用をカバーする演奏権からの収益は9.8%成長の27億ドル(約3,007億575万円)となり、広告やテレビ番組、映画、ゲームなどにライセンスされた音楽のシンクロナイゼーション収益は、5.2%成長の4億ドル(約445億4,400万円)となっている。