著作権

YouTubeが手動申し立てツールのポリシーを変更

YouTubeが、動画内で使用される音楽に関する、著作権侵害申し立てのプロセスを変更するという。ただし、これらの変更は、YouTubeにおける音楽著作権申し立ての大部分を占めるコンテンツIDシステムを使用した自動申し立てではなく、「手動」による申し立てにのみ適用されるとのこと。

「今後、当社のポリシーでは、著作権所有者が手動申し立てツールを使用して、非常に短い、または意図しない音楽の使用を伴うクリエイターの動画を収益化することを禁止します。収益化のオプションがなければ、著作権所有者の一部は、非常に短い、または意図しない音楽の使用を申し立てしないでおく選択をするかもしれません。また一部は、誰も動画が収益化できないようにすることを選択するかもしれません。ブロックポリシーを適用する人もいるでしょう」とYouTubeは説明している。

YouTubeは9月中旬に新ポリシーの実施を開始する。「これらの変更により、短期的には、より多くのコンテンツがブロックされる結果となるかもしれませんが、長期的に正しいバランスを保つためには、これが重要な一歩であると我々は考えています」とYouTubeは語っている。

Believeが配信前にフェイク楽曲を発見するためにACRCloudと提携

ディストリビューターのBelieveが、すでに著作権で保護されている他のアーティストの音楽を、デジタル音楽サービスにアップロードしようとする人をどのように取り締まるか、その計画を明らかにした。

Believeは、音声フィンガープリント(※)技術のパートナーとして、中国企業のACRCloudを選び、配信される前に、音楽をスキャンすることで、他のアーティストの作品でないことを確認するという。

最近では、Rihanna、SZA、Beyoncéなどのアーティストの過去楽曲や未発表曲が、様々なディストリビューターを通じ、第三者によってストリーミング・サービスに無断かつ異なるアーティスト名でアップロードされるという事件が起きている。

「顧客のコンテンツを保護することは、我々にとって最優先事項であり、ACRCloudとのコラボレーションによって、我々が音楽業界に提供するサービスがさらに発展することを期待しています。」とBelieveのフランソワ・ガーバー氏は述べた。

「著作権認識プロセスを自動化するためにBelieveと協力することができ、とても嬉しく思います」とACRCloudのペン・ドン氏はコメントしている。

今年4月には、ディストリビューターのCD Babyも、Audible Magicと同様の目的でパートナーを組むことを発表していた。

※以下、ACRCloudから抜粋
「音声フィンガープリントとは、それぞれのコンテンツが持つ固有の特性のことで、ちょうど、個人を特定できる人間の指紋と似ています。 音声フィンガープリントは、コンテンツの数秒間の音声から抽出され、そのコンテンツの独自性を識別するのに使われます。」

削除申請によりツイッターに音楽ライセンス契約を求める圧力が増加

Postmodern JukeboxというグループのScott Bradleeさんが、エルトン・ジョンの楽曲「Crocodile Rock」を演奏した動画の投稿が削除されたとして、ツイッターに不満を漏らした。ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループによる削除申請後、該当の投稿が削除されただけではなく、Scott Bradleeさんのツイッターアカウントは一時的に凍結されたという。

エンタテインメント・ビジネスニュースサイトのVarietyによると、その後、Scott Bradleeさんのアカウントは回復し、苦情は取り下げられたという。

今回の件は、フェイスブックの例に倣って、出版社やレーベルと音楽ライセンス契約を結ぶよう、ツイッターに圧力がかかっていることが背景のように見える。

「ツイッターは音楽を配信するためのライセンスを持っていません。ユーザーが音楽を配信できるようにツイッターがしたいのであれば、他のソーシャル・プラットフォームと同様に、ツイッターも音楽ライセンス取得に向けて動くべきです」と、ある匿名の出版社幹部はVarietyに語ったという。

「ユニバーサル・ミュージックは所有するすべてのものに関する大量の削除申請を提出しているようです。彼らの目標は、ツイッターやその他のソーシャル・メディアを交渉の場に引きずり出し、コンテンツID的システムを作成させることです」とScott Bradleeさんは分析している。

現在、欧州において的となっている三大プラットフォームはツイッター、スナップチャット、そしてTikTokとみられており、権利保有者は、フェイスブックとのライセンス契約や、今後施行される、欧州議会による著作権指令改正案などをてこにして交渉を進めることを望んでいる。今後、これらのプラットフォームで削除される音楽の数は増える一方かもしれない。

2018年、著作権違法サイトへの訪問数は1,890億回に

著作権侵害を追跡する企業のMusoが、2018年、違法サイトが1,890億回訪問されていたことを明らかにした。一見すると膨大な数に見えるが、実は、1年前に同じようなデータが公表された際の違法サイト訪問数は3,000億回だった。したがって、1年間で違法サイトへの訪問数は37%減少したことになる。

これらの数字には、音楽、テレビ番組、映画、ソフトウェア、本など、あらゆる種類のデジタルにおける著作権侵害が含まれている。Musoによると、全体の違法サイト訪問数のうち、15.87%を音楽が占めたとのことで、計算すると、違法音楽サイトへの訪問数は300億件程だったことになる。2017年における違法音楽サイトへの訪問数は739億件だったため、一年間でその数は59.4%減少したことになる。

全体の違法サイトへの訪問数の60%が、ウェブ上の違法ストリーミング・サイトへのアクセスだったという。つまり、テレビ番組や映画コンテンツが違法に公開されているサイトのことだ(音楽にはSpotifyやSoundCloud、YouTubeなど、世界的に無料でも使用可能なオプションが多数存在しているからかもしれない)。Musoによると、ストリーミング・リッピングのサイト訪問数は昨年16%減少したという。

ただし、日本ではYouTubeから音楽を転用した違法アプリなども存在しており、特に若者間での利用が問題となっている。