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インディー・レーベルのストリーミング再生数ごとの支払いレートが明らかに

アーティストの権利を主張するブログ「The Trichordist」が、『ストリーミングの価格バイブル』を発表した。The Trichordistは、毎年、主要なストリーミング・サービスにおける、最新のストリーミング再生回数ごとのロイヤリティ率を比較するレポートを発表している。

今年の報告は、例年通り、「約250以上のアルバムカタログを保有する、中規模のインディー・レーベル」からのデータに基づいているとのこと。ちなみに、このレーベルのカタログ全体で年間今や10億回のストリーミング再生回数を生み出しているという。

ブログによると、このレーベルのストリーミングからの収益の97%は、トップ10位のストリーミング・サービスから来ており、88%はトップ5位から来ているという。ちなみに、トップ5位に入っているストリーミング・サービスは、上から、Spotify、iTunes/Apple(ダウンロードも含む)、YouTubeのコンテンツIDからの収益、Amazon Music Unlimited、Google Playとなっている。

ブログによると、「Spotifyのストリーミング再生回数あたりのレートは、前年の0.00397ドル(0.44円)から16%減の0.00331ドル(約0.36円)と、前年に続き下落している。Appleについては、前年の0.00783ドル(約0.86円)から36%減の0.00495ドル(約0.54円)に下がった」という。

また、ブログは下落の要因について「2018年は、ダウンロードからストリーミングへの収益の大幅な移行が見られ、より積極的なプラン(家族割や無料トライアルなど)の提供や、より多くの地域への進出が相まったため、全体的なストリーミング再生回数あたりのレートが下がったのだろう。」と述べた。

サンプルとして取り上げられたレーベルのストリーミング再生のうち、Spotifyが占めたのは29.2%、Appleが占めたのは10%弱、YouTubeコンテンツIDは48.6%となっている。そして、それぞれのストリーミングからの収益は全体の48.9%(Spotify)、25%(Apple)、7%(YouTubeコンテンツID)となったという。

この数値について、「全体のストリーミング再生数のうちの50%近くが、収益の7%しか生み出していない。Apple MusicとSpotifyの組み合わせは、全ストリーミング数の40%、全収益の74%にも満たない」とブログは主張している。

今回のブログが発表したデータは、単一のレーベルをソースとしたものであり、市場全体を投影したものではない。しかし、過去の分析の傾向などと比較すると、非常に有効なデータであることは間違いないだろう。

例えば、このレーベルのストリーミング再生回数のボリュームと収益は大幅に伸びているのに対し、再生回数ごとのレートは2014年に0.00521ドル(約0.57円)だったものが2016年には0.00437ドル(約0.48円)、2017年には0.00397ドル(0.44円)、2018年には0.00331ドル(約0.36円)と下がっている。

NetflixがiOSの新たな会員向けに、アプリ内課金を廃止

昨年の8月、NetflixがiOSアプリ向けに、新たなサブスクリプション登録方法として、Netflixのモバイルサイトに直接支払いの詳細を入力する方法を試験的に実施していることがわかった。

これにより、アップルのアプリ内課金システムを回避することで、Netflixはサブスクリプション月額の30%(ユーザーが1年以上サブスクリプション登録を続けている場合は15%)をアップルに取られずに済むようになる。

今年に入り、Netflixは試験ではなく、本格的に全世界でこの方法を実施することになったという。「新しく会員になる方の支払い方法として、iTunesはもはやサポートされていません」とNetflixは伝えている。

アップルは常に直接サブスクリプション登録をすることは認めてきたが、iOSアプリ内から直接登録にユーザーを誘導することは禁じてきた。今回のNetflixの動きはアップルのポリシーに対する挑戦となる。Spotifyもまた昨年の夏に、新しい登録者はiOSアプリ内課金を使用できない旨を決めている。

米国調査会社ループ・ベンチャーズは、これらの動きによるアップルへの影響を予測し、「我々は、アップルのサービス部門の収益の40%をアプリが占めており、アプリ収益の20%をアプリ内サブスクリプション課金が占め、そのうち多くて5%がNetflixとSpotifyによるものと考えています。」と分析した。

また、長期的な影響について、「アップルがNetflixとSpotify両方からの取り分を失うとなると、アップルのサービス部門の収益は0.4%程低下し、アップル全体としての収益は0.07%程低下すると見られます。」と報告している。