あらゆるソーシャル・メディア・プラットフォームが、必然的に何らかの音楽機能を持つようになってきている。近年では、フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどがその例だ。DSPの役割を果たすのでは、と噂されたプラットフォームもあったが、完全なDSPに振り切ったサービスは現時点では展開されていない。音楽を独立させる代わりに、ソーシャル・メディア・プラットフォームはすでに提供しているサービスを強化するために音楽を利用していると言えるだろう。

しかし、近々例外が生まれるかもしれない。最近では、TikTokを運営するバイトダンス社がフルでストリーミング・サービスを展開するかもしれないと噂されており、さらにウォール・ストリート・ジャーナル誌によると、今度は、スナップチャットまでもが音楽分野に乗り出すかもしれないという。

世界三大メジャー・レーベルは、スナップチャットのアプリ内に音楽をライセンスすることに関して、スナップチャットと既に協議を始めていると報道されている。ちなみに、第四のメジャーとされる、インディーズを代表する団体であるマーリンについては、言及されていない。

ユーザーが自身の投稿に音楽を追加できるようにするなど、音楽再生を別に提供するのではなく、フェイスブック(インスタグラムとOculusも含む)の契約に類似したものになる可能性もある。

レーベルが各投稿に含める音楽の量をどれくらいにするか(フル尺ではなく、抜粋かなど)、またそれに対してどれくらい支払われるべきか(再生ごとの料金以外にも前金など)が議論のポイントになることは間違いない。

現在のところ契約は締結されていないようだが、報道では、「ここ数週間で議論が激化している」とのことで、今後どのような形になるかは今のところ全て仮定に過ぎない。もしかしたら、インスタグラムの音楽ステッカーのように飾り的な役割だけかもしれないし、TikTokのようなリップシンク機能など、音楽を前面に押し出したものになるかもしれない。

スナップチャットにはすでに「レンズ・チャレンジ」という機能がある。しかし、今回のライセンス契約により、もしかすると、スナップチャットのレンズ機能だけでなく、アプリ全体に渡って音楽を活用できるようになる可能性もある。

先月、調査会社のeMarketerはスナップチャットのユーザー数がイギリスとアメリカで減少してきていると報告した。スナップチャット自身も、2018年第2四半期には、純損失が3億5,300万ドルに減ったものの、日間アクティブ・ユーザー数は初めて減少したと発表している。

しかし、最新の数字となる今年の第1四半期では、損失額が3億1,040万ドルとなり、代わりに日間アクティブ・ユーザー数は若干増加したという。さらに、スナップチャットは、アプリ内にゲーム・プラットフォームを計画しているとも報道されている。音楽要素の噂も含め、最近のスナップチャットの動きでは、既存ユーザーを維持するだけでなく、新たなユーザーを引き寄せるためにエンタテインメント・カテゴリーを活用を試みていることが伺える。

これらのマクロ的問題は、ソーシャル・メディアの世界の気まぐれな性質にある。プラットフォームからユーザーが離れ始めるとすぐさまメディアがその苦闘を報道し、全てがさらに悪化していく。急降下する企業を再び引き上げることは簡単ではない。音楽とゲームはこれらのプラットフォームが必要とする救世主とはならないかもしれず、何を試しても、避け難い結末が来るのを遅らせるだけに過ぎないという可能性も否定はできない。