アマゾンが音楽ストリーミング事業に関する大きな指標を発表した。「アマゾンのストリーミング・サービスは世界中で5,500万人を超える顧客にリーチし、昨年だけで、Amazon Music Unlimitedへの加入者数は、50%以上成長しました。」とアマゾンは主張している。

発表に伴うフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューでは、音楽部門のトップであるスティーヴ・ブーム氏が、5,500万人のユーザーの「ほぼ全員」がサブスクリプションにお金を払っており、昨年アメリカでローンチされた無料広告プランの利用者はごく少数であると強調した。「Amazon Musicは、米国や、英国、ドイツ、日本で、前年比50%増の成長を見せ、フランスやイタリア、スペイン、メキシコなどの新規の市場では二倍以上の成長を見せました。」とアマゾンは続けている。

昨年、フィナンシャル・タイムズ紙は、2019年4月にアマゾンの音楽ストリーミング登録者数が3,200万人以上となったことを報道している。つまり、それ以来、アマゾンは月に260万人近くもの新規ユーザーを追加してきたことになる。

ちなみに、2019年9月末時点で、Spotifyの月間アクティブ・ユーザー数は2億4,800万人、そのうち1億1,300万人が有料会員となっていた。Apple Musicの最新数値は、2019年6月下旬に発表されており、登録者数6,000万人だった。現在では、ほぼ確実に7,000万人は超えているだろう。

アマゾンには現在、無料広告サポート型プラン(日本ではまだ利用不可)、プライム特典の一つとなっているPrime Musicプラン、単一デバイス用のEchoプラン、Amazon Music Unlimited、Amazon Music Unlimitedのファミリー・プラン、ハイレゾ音源のAmazon Music HDプランなど、幅広いストリーミング・プランが用意されている。

「アマゾンは数字についてはあまり話しません。このレベルの規模に到達したことは話す価値があるのではないかと感じました」とブーム氏はフィナンシャル・タイムズ紙に語っている。

アマゾンは、スマートスピーカー市場のリーダーとしての地位も、引き続き維持している。調査会社のCanalysによると、アマゾンは2019年第3四半期だけで1,040万台のEcho製品を出荷しており、世界市場の36.6%のシェアを獲得したとのこと。

アマゾンのストリーミング・サービスの影響力は、最近Ellie Gouldingのシングル曲「River」が、アマゾン独占で配信され、プレイリストやAlexaのおすすめを通じて重点的にプロモーションされ、イギリスの公式シングル・チャートの1位を獲得したことでも明らかとなった。

「音声アシスタントのAlexaとAmazon Music HDの高品質オーディオへの投資を引き続き進めており、2020年以降も、我々の顧客と音楽業界に、さらなる革新をもたらせることを大変嬉しく思っています」とブーム氏は述べた。