ストリーミングのアルゴリズムは、ユーザーの好みに基づいて、楽曲やアーティスト、プレイリスト、そして今やポッドキャストまでもを、エンドレスに提供し続けるようになっている。そして、ユーザーが好んでいるとアルゴリズムが判断する要素には、よく再生している、積極的にお気に入りに追加している、アーティストのプロフィールをフォローしているなどの行動がある。ユーザーは、楽曲を30秒と経たずにスキップすることもできるが、それによって、好んでいないアーティストの楽曲が未来のおすすめから外れるようになるとは限らない。

しかし、Deezerが慣習を破るべく、実際におすすめに表示されるのを「禁止」するための新機能を実装した。「Flow」や、その他のDeezerによるおすすめミックスを聴いている最中に、歯ぎしりをしたくなるような楽曲が流れてきたとする。その場合、「不満そうな顔の絵文字」を押すと、楽曲はアルゴリズムから即座に弾かれ、それを演奏しているアーティストも同じ運命を辿ることになる。これは、Deezerが提供するミックスやプレイリストにのみ適用され、ユーザー自身がキュレーションしたプレイリストにおけるアーティストや楽曲には影響しないとのこと。

DSPはこれまで、「我々が愛する音楽」をより多く提供することにフォーカスを当ててきたが、確かに、ユーザーの好みが、好きなものと嫌いなもの両方で決まるというのは正しいだろう。スキップしたデータは、アルゴリズムに特定のメッセージを送ることにはなるが、同じアーティストや、さらにはスキップした同じ楽曲のアコースティック版やEDMミックス版が、別のアルゴリズム・プレイリストに現れることは頻繁に起こる。もしくは、その時はその楽曲を聴きたくなくても、別の文脈では聴きたくなる可能性もあるため、アルゴリズムもこれを完全には除外しないようになっているというわけだ。

アーティストや楽曲を完全かつ即座にブロックできる機能は、リスナーが何を嫌っており、将来的に何をオススメされるのを嫌がっているかという、非常に明確なメッセージを受け取る上では、迅速かつ効果的な方法だと言えるだろう。