ユニバーサル・ミュージック・グループの株を最大50%売却しようとするヴィヴェンディの動きに大きな進展があった。ヴィヴェンディは、中国テンセントとユニバーサル・ミュージックの株10%に関して「一次交渉」に入り、1年以内に同価格および同条件で、さらに10%を取得可能なオプションも付いているという。

ユニバーサル・ミュージック・グループは全体で300億ユーロ(約3兆5,400億円)と評価されており、取引が成立した場合、テンセントは最初の10%の株を33億6千万ドル(約3,535億円)で取得することになる。今年1月には、ドイツ銀行がユニバーサル・ミュージック・グループの価値が330億ドル(約3兆4,720億円)であると示唆し、モルガン・スタンレーは290億ドル(約3兆511億円)から420億ドル(4兆4,203億円)の間、翌月にはJPモルガンが500億ドル(約5兆2,622億円)と分析していた。

一番数字が近かったのはドイツ銀行ということになりそうだが、テンセントとの取引はまだ始まったばかりだ。ヴィヴェンディは、ユニバーサル・ミュージック・グループの残りの少数株を売却する潜在的なパートナーを探し続けているが、テンセントとのパートナーシップは、単なる株式売却以上のものになると強調している。

「ヴィヴェンディとテンセントは同時に、商業面での戦略的協力も検討しています。ヴィヴェンディは、デジタル化と新たな市場開拓によってもたらされる成長機会をユニバーサル・ミュージックが獲得するのに役立てられるよう、協力強化を模索したいと考えています」とヴィヴェンディは発表している。

「テンセントとともに、ヴィヴェンディはユニバーサル・ミュージック・グループでこれまで最高の楽曲カタログを製作してきたアーティストのプロモーションを改善し、新たな市場における新たな才能の発掘およびプロモーションも行なうことを望んでいます。ヴィヴェンディは今回の新たな戦略パートナーシップが、テンセントとユニバーサル・ミュージック・グループ両方に価値をもたらしてくれることを期待しています。」

このような協力が実現すれば、両社に価値がもたらされることはまず間違いないだろう。しかし、たとえテンセント・ホールディングスが、中国でカラオケ・アプリやライブ動画配信アプリとともに、三つのストリーミング・サービスを運営するテンセント・ミュージックとは別物であっても、このような協力体制への音楽業界からの反発は、かなりのものになる可能性もある。

ユニバーサル・ミュージック・グループのCEOであるサー・ルシアン・グレンジ氏は、今回の件に関して「ヴィヴェンディとユニバーサル・ミュージック・グループ両方にとって、エキサイティングな進展」であると言及している。「我々の戦略を加速および拡大する可能性があり、疑いもなく素晴らしいことです」

競合メジャーレーベル(そして大手中国音楽企業)は、このパートナーシップがもたらす影響の解析に時間を費やすことになるだろう。一方、ユニバーサル・ミュージックの株式取得の候補者としては、メディア大手のLiberty Media、投資グループのKKR、さらにはアップルやSpotify、グーグルなどの名前も上がっている。