テンセント・ミュージックが、AIを活用した音楽おすすめ機能への更なる投資を進めている。また、同社は、モバイル・カラオケのサービスをヨーロッパで展開できる可能性があるかも探っている。

さらに、同社は、国際的なミュージシャンが中国においてオーディエンスを築く手助けをするために、世界的なアーティストと中国のアーティストをコラボレーションという形で繋げることに意欲的だという。

これら3つのポイントは、アムステルダムで開催されたADEカンファレンスの基調講演にて、テンセント・ミュージックのアンディ・ン(吳偉林)氏が語った内容の抜粋だ。

吳偉林氏は、今年3月にテンセント・ミュージック・エンターテインメントのグループ・バイス・プレジデントとしての役職を退任しているが、引き続き同社の主要コンサルタントとして活躍しており、また、テンセントのEDMにフォーカスした、ソニー・ミュージックとの共同事業である「Liquid State」にも関与している。

AIを活用した音楽おすすめ機能について、吳偉林氏は次のように語っている。「我々は、個々のユーザーの好みや希望を推測するAI技術を開発してきました。今も密接に取り組んでいます。おすすめエンジンのようなものです。まだ非常に初期の段階なので、成功しているかどうかについてはまだコメントできません。AIエンジンは1日の間に、いくつか質問をします。例えば、『今日は雨が降っています。どんな気分ですか?』という質問をされて、最悪な気分と答えると、とても憂鬱な楽曲をおすすめしてくるかもしれません!実際には、エンジンはクールな音楽をおすすめするようになっています。」

さらに、吳偉林氏は、テンセント・ミュージックの国際的なカタログにこの技術を適用するのは厄介ではあるが、「ゆっくりと進めており、長期的に改善しようとしている」と付け加えた。

一方、モバイル・カラオケ事業については、テンセント・ミュージックの最新決算から、同社の「ソーシャル・エンターテインメント」製品(カラオケだけでなく、ライブ配信アプリも含む)は、全体の収益の4分の3近くも占めていることが明らかとなった。

吳偉林氏は、最近のテンセント・ミュージックのカラオケ・サービスの拡大についても語った。「今年、我々はこのサービスを、インドネシアやマレーシア、ベトナム、ライなどの様々なアジア市場に拡大し始めました。我々はヨーロッパの市場にも目を向けており、需要があるかを見ています。もし需要があるのであれば、サービスを世界的にローンチし、どうなるかを見てもいいかと考えています。」

吳偉林氏はまた、中国における、ノルウェー出身ダンス・アーティストのアラン・ウォーカーの人気が、他の国際的なアーティストのインスピレーションになり得ると述べた。

アラン・ウォーカーの「Faded」という楽曲は、テンセント・ミュージックのサービス全体で60億回以上ストリーミング再生されている。吳偉林氏によると、テンセントはさらに多くの国内音楽ファンに、アラン・ウォーカーを紹介するため、中国アーティストとのコラボレーションを促進しているとのこと。

吳偉林氏によると、他の人は、このテンプレートに沿って成功を収めることができるか確認するために、テンセントを訪ねているという。吳偉林氏はアーティストのR3HABと実際にミーティングをしたことについて、「彼は、我々がアラン・ウォーカーで実施したのと全く同じことをしたいと話してきました」と語っている。