音楽動画から生み出されるロイヤリティに関する、音楽業界によるYouTubeへの批判は、音楽がYouTubeにおける視聴の大半を占めるという推定に基づいている。しかし、これは事実、根拠となるデータに欠けた、単なる推定であることは念頭に置いておく必要がある。動画・音楽分析企業のPexが、YouTubeにおける視聴を音楽を含むカテゴリーごとに分類する新たな研究報告を発表した。

Pexの分析によると、昨年音楽動画はYouTube上で約2兆近くとなる再生回数を記録し、YouTube上における総再生数の20%を占めたという。音楽動画はYouTubeにおけるコンテンツ全体の5%しか占めていないのにも関わらず、である。さらに、音楽動画一本あたりの平均視聴回数は1万6,400回となっており、他のどのカテゴリーよりも高い数字となっている。また、音楽動画は、動画長さの平均としては一番短くなっている(6.8分)。

動画の長さに関する数字についてよく考えると、これが明らかに「ミュージック・ビデオ」、つまり、4分程度のプロモーション・ビデオだけでなく、より長い演奏動画やその他の音楽コンテンツなど、音楽に関連する動画も含む数字であることがわかるだろう。

しかし、同時にYouTube上で「音楽とエンタテインメントは、投資(コンテンツの量、つまりホスティングと配信コスト)に対して不均衡に高い見返り(再生回数)をもたらす唯一のカテゴリーである」とするPexの結論についても熟考する必要がある。