ファン・コミュニティ活性化ツールとして、音楽業界からも注目が高まっているDiscord。

ゲームユーザーやコンテンツ・クリエイターなどはボイスチャットを使ったグループ・チャット・ツールとして長年活用してきました。最近では、同じ趣味嗜好を共有したい一般ユーザー間や、オンラインで時間を過ごしたい小規模なグループにも利用が広がってきたため、音楽業界でも、参加するアーティスト・コミュニティの数は増え続けています。

The VergeがDiscordのCEOであるジェイソン・シトロン (Jason Citron)に行ったインタビューで、同氏はDiscordの現状について、月間アクティブユーザー数は全世界で2億人以上で、従業員数は870人で運営していることを明らかにしました。

また、シトロンは、同社が「Nitro」サブスクリプションサービスで収益化が進んでおり、今年には黒字になるとも説明しました。Discordの年間売上高は、現在6億ドル以上で、2020年から4倍に増加した、と言われています。

世界では、人とオンラインで時間を一緒に過ごす方法の一つとしてゲームが挙げられますが、Discordは、ゲームをプレイする人同士や、ゲーム好きな仲間が集まる場所として機能しているため、ユーザーエンゲージメントの高さも、特徴の一つです。Discord内では、2024年3月には、6万タイトルのゲームがプレイされ、総プレイ時間は15億時間に達しました。

Discordは3月、「スポンサー付きクエスト」という新たなPRツールの開始を、ゲーム開発者向けに発表しました。ユーザーは、Discord上でスポンサーされるゲームをプレイ、配信するなどすると、報酬を得られる仕組みです。

広告主として参加するゲーム開発者は、ユーザーに対して報酬の代わりに完了しなければいけないゲーム内タスクを設定できます。クエストは、ポップアップ広告や、チャットの合間に差し込まれる広告など、一般的なSNS広告とは異なる形式で表示されることも、Discordは強調しています。

Discordを頻繁に使うアーティストや、アーティストのファンコミュニティが拡大しているため、レコード会社やマーケティング会社も、アーティストコミュニティを育成するためにDiscord運営に乗り出し始めています。

特に、ファン同士が交流する機会を提供したり、高いエンゲージメントを獲得して、スーパーファンを育成するために、Discordを活用するケースが増えています。Music Ally Japanでは、Discordを使ったアーティストコミュニティの運営について解説する動画を配信していますので、ご参考までにどうぞ。

Discordプレイブック〜Discordでファンコミュニティ構築運営を成功させるために<Music Ally Japan ビジネスサミット2023 深掘り編>
https://www.musically.jp/maj-pro/lessons/discord-playbook