最近のトレンドでは、従来のラジオに置き換わる音楽体験の構築がストリーミングサービスで進んでいます。その一つはアルゴリズムを軸にしたパーソナリゼーションの応用です。リスナーの行動や趣味関心に合致する音楽のレコメンドを、個人に合わせてカスタマイズする機能の拡充をDSP各社が重視する一方、機械的に再生する自動レコメンデーションと人間味ある視聴体験の提供とのバランスが課題と捉えることができます。

そんな中、Amazon Musicは「DJモード」を新たに発表しました。これは、旧来のラジオ番組のようにDJが介在し音楽を紹介する番組形式をプレイリストと融合させた、新しい音楽体験です。DJモードの第一弾として、ビリー・アイリッシュが最初のゲストDJとして参加し、アーティスト本人が好きな楽曲を紹介したり、作曲への影響について語り、リスナーはDJの話と楽曲を交互に聴くことができます。Amazon Musicではこの「Billie Eilish Takeover」で配信するトークコンテンツや楽曲を更新していきます。このキャンペーンはビリー・アイリッシュが7月30日にリリース予定のアルバム『Happier Than Ever』のキャンペーンの一貫で、新曲にちなんだエピソードも追加される予定です。

Amazon MusicはDJモードを「パーソナリゼーションと選択肢、ストリーミングが持つ豊富なカタログを、DJが紹介するラジオ番組の活気と個性と融合させたオンデマンド型の再生体験」と説明しています。

Amazon MusicではDJモードを備えたラジオ「Rap Rotation」「Country Heat」「All Hits」をローンチしました。これらのラジオでは、リスナーに合わせてパーソナライズされた楽曲が流れるだけでなく、選曲が常に更新され、音楽を紹介するDJやアーティストのトークも楽しめます。またAlexaに呼びかけると、楽曲の再生やアーティストにちなんだ情報を教えてくれる音声認識連携も始まりました。

旧来のラジオ番組との違いは、DJモードはアーティストやDJが紹介する楽曲や、音楽に関するトークが更新し続けることや、紹介された楽曲が再生のブーストに繫がる可能性が高まることなど多く、ビリー・アイリッシュのように、アルバムや新曲のプロモーションとしてDJモードが活用できることも、アーティストやレーベルにとってストリーミングでの展開を狙う上でも注目すべきポイントでしょう。