皆さんはもうSpotifyが先日公開した年間まとめ「Spotify 2021 Wrapped」をご覧になったでしょうか?

毎年、アーティストとSpotifyユーザーにパーソナライズされたデータを共有しているSpotifyのWrappedは、年々SNSでシェアされる数が目立つようになり、Spotifyに限らず、音楽業界の年間行事になりつつあります。

そのWrappedに合わせて、Spotifyは同プラットフォームの2021年における再生動向をまとめたデータを公開しています。

Spotifyで2021年に曲が聴かれた総再生時間は1079億1757万4719時間。Wrappedのデータを1月から11月末までとすれば、月間リスニング時間は98億時間という、膨大な時間をSpotify上でユーザーが楽曲再生に費やしていることとなります。

2015年の時点で、Spotifyの月間リスリング時間はわずか17億時間でしたので、今年までの6年間で再生時間は5倍以上増えていることが分かります。

これらの数値からさらに推測すると、2021年半ばの時点でSpotifyの月間アクティブユーザー数は3億6500万人でしたので、1ユーザー毎のリスニング時間は296時間となり、一人当たりの月間リスニング時間は約27時間となります。Spotifyは年内にアクティブユーザー数が4億人を超えると予想されており、年間で17%の増加を示しています。

Spotifyのデータによれば、国によって成長したジャンルも見えてきました。韓国ではR&Bが飛躍的に伸びており、ベネズエラではメタルロック、ベラルーシではブルースが人気。

Spotifyで新しいジャンルの楽曲を初めて知ったり、多く聴く人の再生傾向が見えてきます。これは、音楽ジャンルが自国を超えて、世界に広がる可能性があることを証明しています。

日本のSpotifyユーザーの間で2021年に最も成長したジャンルは「ヒップホップ」。またアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスでは「インディー」となっています。

2021年に、100万月間リスナー数を獲得したアーティストの中で、最も成長率が高かった10組も公開されています。

Masked Wolf、Erica Banks、CKay、Maneskin、347aidan、CJ、Tems、Pooh Shiesty、Shouse、Bozaがリストアップされました。

この中ではMasked WolfやManeskin、Erica Banksは、TikTokで今年最も人気だった楽曲にも選ばれています。これは、TikTokでのバイラル動画の人気とSpotifyでの再生が綿密に繋がっていることを示しているため、2022年はどれほどの数のアーティストの楽曲がTikTok経由でSpotifyで再生されるか、注目が高まります。

アーティストやレーベルにとって、最も気になるデータは、楽曲とユーザーのエンゲージメント率かもしれません。

Spotifyによれば、2021年は4165万曲以上がSNSでシェアされました。また、91682曲がSpotifyチャートにランクインしました。

日本未上陸ですが、Spotifyの広告ツール「Marquee」を使ってお気に入りされたりプレイリストに追加された楽曲は2700万曲以上と拡大していることから、Marqueeのプロモーション効果を強調する数値となっています。

ユーザーエンゲージメントを示す数値は、音楽ストリーミングサービスを競合他社と比べる際や、パッシブ/リーンバックな再生に対して、アクティブに楽曲と出会い、再生しているかのベンチマークになるため、アーティストのマーケティングやストリーミング戦略に携わる人にとっては、再生時間と共に注視すべきポイントとなるでしょう。