ライブイベントや音楽フェスティバル、クラブのステージやパフォーマンスをスマートフォンで撮影して、高音質な音源で共有できる動画アプリ「TagMix」とワーナーミュージックは、楽曲利用のライセンスを含む戦略的パートナーシップ契約で合意したことを発表しました。

TagMixは、アプリを使って撮影した音楽イベントの動画を、会場のPAレベルの高音質な音源に自動で差し替える技術を活用して、UGC動画を投稿したい人や、音楽イベントを撮影したい人のコンテンツ体験を向上します。

今ではスマートフォンで撮影してSNSで投稿することが一般的となりましたが、盛り上がっているフェスやライブで好きなアーティストの演奏を撮影して、SNSで共有したくても、酷い音質や、音割れ状態で録画されてしまう、というネガティブなユーザー体験を、録画した音源の音質だけを向上させて、動画録画や共有できるようにします。

ワーナーミュージックはTagMixとのパートナーシップによって、同社のライブやツアーアーティストの音源利用を段階的に開放していきます。

TagMixを使って動画撮影されたワーナーミュージックの楽曲は、より良い音質でSNSで共有されるため、フォロワーや友人が音源を聴く機会が増やせます。

ロンドンを拠点にするTagMixのユーザーは、ライブやフェス、イベント、クラブに行く人向けですが、同社は音楽業界やレーベルに対して、ファンが生成したり共有するライブやフェスのUGC動画を高品質化させ、共有された動画をトラッキングするツールとしての活用も推奨しており、TagMix共同創業者のアンディ・ウッドフォードは「ライブ向けの動画Shazam」とTagmixを説明しています。

TagMixはこれまでイギリスのライブ業界団体のMusic Venue Trustや、楽曲権利トラッキングサービスのBMATとの提携を結んできました。欧米を中心に再開し始めたライブや、音楽フェスティバルへの需要が高まっており、アーティストのステージを動画撮影して共有したい人のニーズはコロナ以前よりも高まっていると言えます。ライブやフェスティバルで撮影されたUGC動画を、レコード会社や音楽業界がどのように活用して、再生数やエンゲージメントを高めるための機会創出や収益化に繋げていくかに注目が集まりそうです。