アマゾン・ジャパンは、音楽サブスクリプションのAmazon Music Unlimitedの料金設定を変更し、プライム会員向けに値上げすると発表しました。プライム会員向けの個人プランは、月額780円から880円、年間プランで7800円から8800円に値上がりします。またAmazon EchoやFire TVで利用できる「ワンデバイスプラン」は月額380円から480円に変わります。値上げは5月5日から適用されます。

同様の価格増加は、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、ブラジルでも開始される予定です。アメリカではプライム会員の個人プランは7.99ドルから8.99ドル、年間プランは79ドルから89ドルに変わります。アマゾンは「今後も魅力的なコンテンツやサービス、機能をお届けするため、一部のAmazon Music Unlimitedのプラン料金を改定いたします」と説明しており、プライム会員は非プライム会員に比べて割引料金で利用できるという付加価値の高さも強調します。

アマゾンは今年2月、アメリカでAmazonプライムの年会費を119ドルから139ドルに値上げするなど、プライム会員向けサービスに度重なる変更を行っています。アマゾンによれば、プライム会員は非プライム会員よりもアマゾン利用率が高く、より多くの商品購入に繋がっていることを明らかにしてきました。音楽サブスクリプションや映像サブスクリプション各社は、インフレ率の上昇と高騰するコンテンツ獲得コストを背景に、会員価格の値上げ戦略を行っている最中です。但し、値上げ戦略は成長市場で新規ユーザー獲得に悪影響を及ぼすリスクもある為、慎重な姿勢を示す企業もあります。Amazonプライムのように、音楽だけでなくライブコンサートやポッドキャスト、さらには映像(オンデマンド、オリジナル作品、ライブ配信)、買い物など、ユーザーの用途に合わせて使い分けが可能なサービス(しかもアクティブユーザー数と収益率が高い)が増えている音楽業界やエンタテインメント業界において、ユーザーの満足度を維持させるための付加価値が、安さだけでは語れないことが見えてきます。