テンセント・ミュージック、中国人アーティストの海外進出を支援 フランスと共同で楽曲制作

中国のテンセント・ミュージックは、中国人のインディペンデントなアーティストに対して同社のサービスを通じてグローバルなビジネスチャンスを提供する取り組みを強化しています。

最新の事例で完成したのは、テンセント・ミュージックとフランス大使館が制作支援し、クロスボーダーな音楽連携で実現したアルバム『Mosaique』です。同作は、中国とフランス出身のインディペンデント・アーティスト21組が共同プロデュースした11曲を収録。ジャンルもポップスからヒップホップ、エレクトロニックなど多彩な楽曲が生まれ、二カ国のアーティストの文化的背景が反映されています。同アルバムは、Spotify、Apple Music、Amazon Music、Deezerなどグローバルなプラットフォームで配信され、テンセント・ミュージックのQQ Music、Kugou Music、Kuwo Musicでも配信します。

テンセント・ミュージックは、インディペンデント音楽シーンを支援し、プロモーションするための独自のサービス「テンセント・ミュージシャン」を展開してきました。2021年には、Apple Musicとのディストリビューション契約を新たに結び、中国から世界のストリーミングサービスに配信する新たな取組みも始まりました。今年に入り、新たな機能「One-Click For All」をローンチ。同サービスを使う中国人アーティストが世界150以上のDSPに楽曲を配信できる機能を提供しています。

2021年末の時点で30組以上のインディペンデント・アーティストが、テンセント・ミュージシャンからの支援を受けた、と同社は発表しています。テンセント・ミュージックでは、中国人アーティストが、世界のオーディエンスや音楽コミュニティと繋がるための取り組みを徐々に拡大しつつあり、これによって中国の楽曲やアーティストのファンを世界各地で増やそうとする狙いがあります。

テンセント・ミュージックはまた、音楽に特化したバーチャル空間「TMELAND」をローンチして、音楽メタバースの運営にも乗り出しました。アーティストとファンが繋がる取り組みの中で、それ以上に中国人アーティストを世界のユーザーが発見するための機会創出の一貫としても機能することに期待が高まります。