
2025年最も注目のツアーが始まり、音楽業界とライブ業界は興行収益を含めた一挙手一投足を注意深く見守っています。ビヨンセの「Cowboy Carter」ツアーは、4月28日、ロサンゼルスのSoFiスタジアムで最初の5公演で幕を開けました。ライブ業界メディアPollstarが発表したデータによると、ビヨンセは5公演だけで5,570万ドル (約83億円)の興行収入を上げ、チケットは217,000万枚が購入されました。1公演あたりの平均観客数は43,428人。チケット価格は50ドル (7400円)から801ドル (120,000円)まで幅広く設定されました。
5000万ドル超の興行収入は2025年における単一会場での公演では最大規模となりました。今年これまでの最高記録だったColdplayの「Music Of The Spheres」アジアツアーや、シャキーラの「Las Mujeres Ya No Lloran」ツアーのメキシコシティで行われた7夜連続公演の収益を上回る結果となりました。
また、ビヨンセはこの公演で女性アーティストが行った単一会場の興行収入で最高記録を達成しました。さらに、5公演の記録は、Billboard Boxscoreのランキングで史上5番目に高い単一会場の興行収入でした。この記録を上回ったのは以下の4公演のみです。
1. U2のラスベガス・スフィアでの常設公演 (2023年 – 2024年)
2. ハリー・スタイルズのニューヨーク・マディソン・スクエアガーデンでの15公演 (2022年)
3. Take Thatのロンドン・ウェンブリー・スタジアム8公演 (2011年)
今回のロサンゼルス公演の興行収入を上回る可能性があるのが、ニュージャージー州のMetLifeスタジアムの5夜連続公演です。またロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムでは、ビヨンセにとって単一会場で最長となる6夜連続公演が控えています。ただし、ヨーロッパ公演は、米国と比較してチケット価格が低く設定されているため、収益面での最高記録更新は不透明です。「Cowboy Carter」ツアーは、ビヨンセのカントリー・アルバム『Cowboy Carter』を初めてライブで披露するツアーです。全32公演で構成される本ツアーは7月まで続く予定で、全米各地、パリ、ロンドンまで、全公演がスタジアムのみで行われる大規模な編成となっており、2025年最大規模かつ最も商業的に成功するツアーになることは間違いありません。