
日本人アーティストの間ではあまり活用が広まらないSnapchatですが、SNSファーストなアーティストやグローバル展開を目指すアーティストやレコード会社においては、重要なプラットフォームの一つとなっています。そのSnapchatを運営するSnapが先日、主要な音楽出版社とライセンス契約を更新したと、Digital Music Newsが報じました。
今回の契約は、米国音楽出版社協会 (NMPA)が2年前に締結した内容の更新です。両者は条件を再交渉した結果、総額1500万ドル (約22億円)規模の保証収益が、今後2年間に渡り、参加音楽出版社へ支払われる条件に変わりました。
このライセンス更新により、SnapchatとBitmojiやZenlyなどSnapが運営する関連サービスなどでの音楽利用が継続されます。Snapは音楽を活用したUGC生成や動画投稿、コンテンツ生成をさらに促し、アーティストとの連携を深め、ユーザー体験の強化につなげます。
契約に参加する上で、今回のSnapとNMPAの枠組みでは「オプトイン」方式が採用されています。音楽出版社は、ライセンスの枠組みに参加を希望する場合、選択が可能です。参加表明した出版社は、ライセンス収益を受ける権利を取得し、収益は市場シェアに基づいて、プロラタ方式で支払われます。契約は、グローバル・ライセンスで、包括的な権利処理に対応しています。
ただし、Snapは参加表明に間に合わない出版社や、NMPA非加盟の企業とは契約を締結しないと報じられているため、音楽出版社はNMPA経由のライセンス契約以外、選択肢は限られる模様です。
一方で、ユニバーサル ミュージック パブリッシング グループやソニーミュージック・パブリッシング、ワーナー・チャペル、Kobalt Music、BMGなど、メジャー音楽出版社は、Snapとそれぞれ独自に交渉を行い、NMPAとは別の条件で契約を締結しています。
Snapは最新の決算で、SnapchatのDAUは4億6000万人を突破し、前年比3800万人増加したことを明らかにしました。またSnapのプラットフォームのMAUは9億人を突破し、次の目標として10億人の大台を見据えています。