TikTokは、米国での事業売却とサービス継続を見据えて、米国ユーザーに特化した、グローバルアプリとは別のアルゴリズムとデータシステムで動作する独立アプリをリリースする準備を進めている、とロイターが報じました。新アプリは、中国本土で利用される「Douyin」(抖音)と同様、グローバルアプリから独立したレコメンデーションやデータセットが用いられ、米国内で投稿されたコンテンツがレコメンドされると言われています。

米国限定の新アプリは2025年9月初旬にリリースを予定されていると報告されています。現在のTikTokは、新アプリの開始と同時に米国のアプリストアから削除される可能性があります。米国ユーザーはTikTokを引き続き利用するには新アプリのダウンロードが必要で、来年3月まで現在のTikTokは使用可能とも言われています。米国政府はByteDanceに対し、TikTokの米国事業の売却か、アプリ国内利用の禁止を迫っており、新たな売却期限の締め切りが9月中旬であることから新アプリも同時期に登場すると予想されます。

この報道に対してTikTokは即座に反論して「匿名で情報を知らない情報源に基づくロイターの記事は事実誤認」と声明文を出しました。ただし、どの部分が事実誤認かは明示していません。

新アプリは、米国ユーザーが他国のユーザーの投稿を閲覧できない、シェアできない可能性もあり、この仕様によって一部のユーザーがTikTokから離れる懸念もあります。米国と他国 (そして中国)でTikTokユーザーが別々に分離したアプリを利用するこの状況を踏まえて、今後の音楽プロモーションやマーケティング戦略が見直される可能性もあります。