アラブ首長国連邦 (UAE)で、著作権管理団体(CMO)Music Nation」が正式に事業を開始し著作権収益の徴収および分配を手掛けることとなった。今後、同社は、UAE国内での実演権収益 (Public Performance Rights)、録音権収益 (Mechanical Rights)の徴収と分配を権利団体に対して行っていく。これらの権利管理は米国の著作権管理団体であるBMI (Broadcast Music, Inc)との提携で展開する。また、隣接権収益 (Neighboring Rights)の徴収と分配は、SoundExchangeとの提携の元実施していく。同社は2023年にBMIと提携し、権利管理および収益分配に関するインフラ構築、テクノロジー連携、データ処理などに着手してきた。2025年6月、同社はUAE政府および経済観光省より、著作権徴収管理に関する正式な承認を獲得した。

UAEを含む中東・北アフリカ (MENA)地域は、世界で最も急成長している音楽市場として、高い注目が集まっている。国際レコード産業連盟 (IFPI)のグローバルレポートによれば、同地域の音楽原盤収益は2024年には前年比22.8%で増加。これは世界平均の成長率5.9%を大きく上回る成長率だった。

急拡大する音楽市場を背景に、中東諸国では、収益最大化を目指す戦略として著作権収益の分配の環境整備を挙げてきた。作曲家や音楽出版社、音楽クリエイター、権利所有者などに対して、透明性高く、公平な収益分配を拡大し、グローバル規準の権利処理を行うことで、世界市場に適用した権利ビジネスの環境を音楽コミュニティに提供することが狙いだ。