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ユニバーサル ミュージック グループのVirgin Music Group (VMG)は、ディストリビューター大手FUGAの親会社であるDowntown Music Holdingsの買収を完了した。欧州委員会 (EC)の承認からわずか数日後の動きだ。今後、VMGはDowntown Musicおよび各事業との統合を本格化させる。

https://www.musically.jp/ec-approves-downtown-music-buyout

日本でもFUGAと提携するSPACE SHOWER FUGAが田中聡社長名義で公式サイトから声明文を公開している。同社によれば、「本件は、Downtown Musicの株主構成に関するものであり、当社の株主構成及び持分比率ならびに日本市場における意思決定や事業運営体制に変更はありません」と述べている。
https://spaceshowerfuga.com/contents/1048519

一方、Downtown Music Holdingsの経営陣には、動きがあった。Downtown Music のCEOのピーター・ファン・ライン (Pieter van Rijn)は、VMGのチーフ・オペレーティング・オフィサー (最高執行責任者、COO)に任命された。今後はオランダ・アムステルダムを拠点に、VMG共同CEOのナット・パスター (Nat Pastor)とジェイティー・マイヤーズ (JT Myers)へ直接報告する。ファン・ラインは元FUGAのCEOで、2022年にDowntown Musicの社長へ就任し、2年後にCEOへ昇格していた。今後は、VMGのCOOとして、統合後の事業全体のグローバルオペレーション、テクノロジー、製品、戦略統合を統括する。また、Downtown Musicのクライアント、チーム、各ブランドの継続性を確保し、新たな成長と協業の機会の創出にも取り組んでいく。

Downtown 創業者のジャスティン・カリフォウィッツ (Justin Kalifowitz)は、買収に伴い、2007年に創業した同社を離れる。Downtown 会長のアンドリュー・バーグマン (Andrew Bergman)も、会長職からシニア・アドバイザー (上級顧問)として一歩引いた役割に移行する。

現在Downtown Musicは世界145カ国で、5000社以上の企業クライアントと、400万人以上のクリエイターにサービスを提供しているグローバル企業だ。同社は、前述のFUGAに加えて、CD Baby、Songtrust、Downtown Artist & Label Services、Downtown Music Publishingなど、ディストリビューション、アーティストサービス、レーベルサービス、音楽出版の企業を傘下に抱えている。

今回の買収の条件として、VMGはロイヤリティ収益分配システムを提供する「Curve Royalty Systems」を売却する。Curve売却は、規制当局が重要な論点として指摘した案件だった。

Downtown Musicのファン・ラインは次のように述べた「両社の統合により、インディペンデント・コミュニティが利用できる選択肢、サービス、そしてグローバルなリーチが強化されます。Downtownを築き上げたジャスティンとアンドリューのビジョンに感謝するとともに、次の章へ進むにあたり信頼を寄せてくれたナットとJTにも感謝しています。私たちの焦点は明確です。両社の特別な強みをさらに磨き、私たちが支援する起業家に対して、より大きな価値を提供していきます」

パスターは次のように述べた「ピーターの任命は、事業を慎重かつ戦略的に統合していくという私たちの意図を示すものです。これは、Virgin Music GroupとDowntownの双方を、さらに良くするための取り組みです。両社それぞれの強みを維持しつつ、インディペンデントの起業家たちが利用できる投資、テクノロジー、そしてグローバルなリソースを拡大していきます。ピーターの経験とリーダーシップは、私たちを前進させるための最適な素質です」