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フランスのディストリビューター「Believe」と、その傘下の「TuneCore」は、AI生成音楽の配信について新たな方針を導入した。「パイレート・スタジオ」に該当するツールやサービスを使って一部または全てが制作されたAI生成楽曲の配信を自動的にブロックする。ここでいう「パイレート・スタジオ」は、ライセンス許諾を受けていないAI音楽プラットフォームを指す。

Believeは具体的にどのプラットフォームが「パイレート・スタジオ」で、配信ブロックの対象かを明らかにしていない。ただし、Music Business Worldwideの取材で、CEOのデニス・ラデガイリー (Denis Ladegaillerie)はブロック対象の一つが「Suno」であることを明らかにした。Sunoは現在もユニバーサル ミュージック グループとソニー・ミュージックエンタテインメントから著作権侵害訴訟の対象となっており、Believeとはライセンス契約を締結していない。一方、ラデガイリーはBelieveがAI生成音楽スタートアップの「EvelenLabs」と「Udio」とライセンス契約を新たに締結したことも認めた。Udioは、ユニバーサル ミュージックやワーナーミュージック・グループに加えて、Merlin、Kobaltなどと契約を結んでいるが、ソニー・ミュージックからライセンスは未だ受けていない。


ラデガイリーは次のように述べている「2、3カ月前まで、Sunoや、未だライセンス契約を結んでいない他のスタジオは、(業界大手の権利者から)いずれライセンスを得られると考えていたはずでした。しかし現実問題として、少なくとも彼らがすでに学習させたモデルでは難しいのです。つまり、彼らのモデルで制作された生成AIコンテンツは違法で、当面の間、違法の状態が続くのです」

今回のBelieveの決定は、AI音楽企業がどの企業とライセンス契約を結べば、Believeが「パイレート・スタジオ」の対象から外すかについて議論の余地がある。それでもBelieveは、生成AIに対する対策への投資を強化している。その一歩として、BelieveとTuneCoreで生成AIコンテンツの検出技術を導入したことをラデガイリーは明らかにしている。同氏によれば、その性能は「99%信頼できる」レベルに達しており、どのAIモデルやプラットフォームで生成されたかも特定出来る精度とのことだ。

Believeはまたストリーミングサービス各社に対しても、生成AI音楽の対策を強化するよう通達している「なぜ彼らがこれらの楽曲をブロックしないのか、私たちは理解出来ません。これらの楽曲は、将来的に彼らが重大な法的責任に直面する可能性があるからです。著作権侵害コンテンツを配信する者が誰であれ著作権侵害の責任を負います。人々は時々この事実を忘れてしまうのです。」