
世界有数のインディペンデント・レーベルおよびディストリビューターのデジタル音楽ライセンス・パートナーであるMerlin(マーリン)が、日本での事業開始から10周年を迎えた。世界で最も重要な音楽ソフト市場のひとつで、10年にわたり成長を続けてきた。
Merlinは2016年10月に東京へ拠点を構えて以来、日本のインディペンデント・レーベルとディストリビューターが、デジタル権利の価値を最大限に高め、世界の新たなオーディエンスに作品を届けられるよう、重要な役割を果たしてきた。
分配金は5年で約60%増
この10年間、Merlinの日本のメンバーシップは一貫して拡大している。日本のメンバーに支払われた分配金は、過去5年間で約60%増えた。日本のデジタル音楽市場が発展を続けていること、そして日本のレパートリーが国際的な人気を高めていることが、ともに表れた結果といえる。
10周年を迎えた今、日本の音楽はかつてない規模で海外に紹介されている。日本のインディペンデント・アーティストとレーベルの作品は、北米、中南米、欧州、東南アジアのオーディエンスに届いている。
分配金の約半分が海外市場から
国内での消費を中心としてきた日本の音楽産業にとって、これは大きな変化だ。現在、Merlinの日本のメンバーに支払われる分配金全体の約半分は、海外市場から生まれている。日本の音楽に対する世界的な需要が高まっていることを示す数字だ。
Merlinが日本で事業を確立した2016年は、Spotifyが日本でサービスを開始した年でもある。デジタル・ストリーミングがインディペンデント・レーベルの権利者に長期的な機会をもたらすと見込んでの判断だった。この早期の投資により、日本のインディペンデント・レーベルは、Merlinのグローバルなライセンス・パートナーシップに加え、発展途上にあったデジタル市場に対応するための現地の専門知識とサポートを受けられるようになった。
日本拠点は東京・渋谷にあり、2016年10月に最初のオフィスを構えた。現在、日本とアジア太平洋地域全体での活動は、APAC ゼネラル・マネージャーのヒル薫子氏が率いている。現地チームはMerlinの国際部門と緊密に連携し、インディペンデント・レーベルとディストリビューターのメンバーシップの支援と拡大を進めている。また、日本の権利者がグローバルなデジタル・ライセンスの機会を得られるよう支えている。
ヒル氏は2016年のMerlin東京オフィス立ち上げメンバーのひとりで、初代ゼネラル・マネージャーの谷口元氏とともに働いた。その後、ByteDanceでライセンスと音楽ビジネス開発の上級職を歴任し、2024年9月にAPAC ゼネラル・マネージャーとしてMerlinに復帰。同地域でMerlinを率いている。
CEOとGMのコメント
MerlinのCEO、チャーリー・レクストン氏は次のように述べた。
日本は常に、インディペンデント音楽にとって非常に重要な市場でした。10年前にここに拠点を置いたことは、Merlinの発展における重要な一歩でした。この間、日本のインディペンデント・ミュージックが国内市場をはるかに超えてオーディエンスを築いてきたことは、特に心躍るものです。私たちの役割は、メンバーがそうした機会を最大限に生かし、音楽の価値を最大限に高められるようにすることです。日本のメンバーとともに成し遂げてきたことを誇りに思い、この成功をさらに発展させていくことを楽しみにしています。
MerlinのAPAC ゼネラル・マネージャー、ヒル氏は次のように述べた。
10年前、Merlinが日本に拠点を設けたころ、デジタル音楽市場は今とはまったく異なっていました。私たちが最優先したのは、Merlinと提携する日本のインディペンデント・レーベルが、ストリーミングによって生まれ始めていた機会を理解し、その恩恵を受けられるよう支援することでした。今日、私たちのメンバーは、2016年には想像もできなかった規模で日本の音楽が世界中のオーディエンスに届くのを目の当たりにしています。立ち上げ時から関わり、現在は同地域の事業を率いる立場として、メンバーの皆様がここまで成長されたことを、特にうれしく思います。日本のインディペンデント・ミュージックには、国際的にまだ非常に大きな可能性があります。メンバーがその可能性を実現できる最良の立場に立てるよう、取り組んでいきます。
日本人取締役の役割
Merlinの日本のインディペンデント・セクターへの取り組みは、ガバナンスにも表れており、日本の経営者が、グローバル組織の中で現地メンバーの利益を代表する重要な役割を担っている。Danger Crue EntertainmentのCEO、大石征裕氏は、Merlin初の日本人の取締役として選出された。現在は、STARBASEの創業者兼ディレクターの小川真奈美氏が取締役に就いている。
小川氏は次のように述べた。
日本のインディペンデント・ミュージックは、これまで以上に世界中の多くの人々に届いており、アーティスト、レーベル、ディストリビューターにとって、わくわくするような機会が生まれています。Merlinの国際的な関係と、私たちのローカル市場への理解は、Merlinの日本のメンバーがその可能性を実現するうえで重要な助けとなっています。今後10年は、さらに大きな機会をもたらすでしょう。日本のインディペンデント・レーベル及びミュージックが、この成長の中心にあり続けることが重要です。
今後の方針と11月の来日
今後Merlinは、日本のメンバーシップの拡大、デジタル・プラットフォームとの関係強化に引き続き注力する。あわせて、世界的に高まる日本の音楽需要をインディペンデント・レーベルが活かせるよう、支援を続けていく。
なお、この10周年を記念して、11月にはMerlinのチャーリー・レクストンCEOと最高メンバーシップ責任者(Chief Membership Officer)のジム・マホニー氏が来日。両氏は、日本のメンバーや業界パートナーと面会する予定となっている。
また、Music Ally Japanでは、日本事業10周年を迎えたMerlinの歩みと今後の展望について、チャーリー・レクストンCEOおよびヒル薫子APACゼネラル・マネージャーへの独占インタビューを実施。近日中にその記事を公開する予定だ。
