米国事業の売却・中国からの分離か、もしくは禁止かを決める期限が9月17日に迫る中、TikTokは、同プラットフォームが音楽発見にもたらす影響力を訴求するマーケティングキャンペーン「See Where Music Takes You」を開始しました。同キャンペーンは、TikTokが「世界を代表する音楽発見と文化的つながりの最前線」であることを提示した、音楽体験に特化した同社初の大規模イニシアチブです。

https://www.tiktok.com/@tiktok/video/7542925613254855966

今回のキャンペーンでは、アーティストの再生数を押し上げる「音楽アプリに追加(Add to Music App)」機能に焦点を当てています。同機能は、2024年のグローバルローンチ以降、様々な音楽ストリーミングサービスで10億曲以上の保存を生み、アーティストの再生数増加に寄与する重要導線として位置付けられています。さらに、コンテンツを介してつながり、新しい才能を発見し、世界的ヒットの実現に寄与する「音楽スーパーファン」としてのTikTokユーザーも紹介しており、TikTokの音楽発見における付加価値を可視化しています。

このキャンペーンには、TikTokで音楽キャリアをステップアップさせた、米国シカゴ出身のR&Bアーティスト、Ravyn Lenaeのグローバルヒット「Love Me Not」が採用されました。2024年5月配信の同曲は、TikTokだけで400万件超のUGC投稿、100億回超の動画視聴を記録し、ストリーミング各社での再生が急伸、各国チャートにエントリーするなど、TikTok発の世界規模なバイラルヒットを象徴する事例楽曲となりました。キャンペーンの映像では、TikTokが音楽発見において単なる動画投稿アプリに終始せず、リミックスやマッシュアップ、音楽ファン同士の協力など、様々な形式を通じて、音楽がより多くの人に発見されていく様子を捉えています。

https://www.tiktok.com/music/Love-Me-Not-7363498496317261840

規制や事業の不確実性が増す一方、TikTokは、音楽発見に注力した機能強化を積極的に進めています。前述の「音楽アプリに追加」による保存効果と再生数増加に加え、2025年6月にはアーティスト向け分析プラットフォーム「TikTok for Artists」を発表し、拡散力やコンテンツの実績の可視化・最適化を支援しています。さらに2025年1月からは、TikTok発のアーティストがメインストリーム市場へ進出する軌跡に焦点を当てた「Behind the Breakthrough」キャンペーンを展開。楽曲の発見、ファン行動、再生増加、チャート入りという成果連鎖を示すことで、音楽エコシステムへの貢献をアピールしています。今後は、TikTokが機能強化を通じて、ユーザーのDSP送客、スーパーファンの動機喚起、再生数増加をどこまで高められるか、音楽業界から注目されます。