Apple Musicが近年、音楽マーケティングの一環として重点的に強化している領域がライブラジオです。他社の音楽サービスとは異なる独自アプローチで、2024年にはラテン、ダンス、チルアウトの各ジャンル専門プログラムを追加し、ヒット、カントリー、Apple Music 1を含む合計6局体制へと拡大しました。独自の編成とアーティストや音楽の専門家によるキュレーションにより、従来のストリーミング体験とは異なる“音楽発見”の機会を広げてきました。

この流れをさらに広げるため、先日、Apple Musicは、自社アプリの枠を超え、より幅広いリスナー層へのリーチを目的に、人気ラジオ・アグリゲーションアプリ「TuneIn」とのパートナーシップを発表し、同アプリ上でラジオの配信を開始しました。TuneInは、世界各地で利用でき、月間アクティブユーザー(MAU)が7,500万人を超える大規模なラジオサービス。再生は無料で、アプリやウェブサイトからのアクセスに加えて、スマートスピーカーやスマートTV、車載インフォテインメントなど多様なデバイスでの再生に対応し、Amazon Alexa や Google アシスタントなどの音声操作も利用できます。今回の連携により、Apple 製品以外の環境での再生機会が増えることが見込まれ、Apple Music にとって新規サブスクリプション獲得の導線強化につながると考えられます。

あわせて、Apple Music のラジオが持つ独自のプロモーション効果も一層高まる見込みです。ゲスト出演するアーティストのインタビューの波及効果や、再生回数の増加といった観点から、ラジオの影響力が拡大することが期待されます。とりわけ、従来の Apple Music だけでは接点を持ちにくかったリスナー層へのリーチが生まれることで、音楽ストリーミング市場の枠を超えた影響を生む可能性があります

Apple Music の共同責任者であるレイチェル・ニューマン(Rachel Newman)氏は、次のように述べています。
「Apple Music のラジオは、これまでも常に“つながり”を重視し、アーティスト本人が音楽やストーリーをリアルタイムで共有し、リスナーが新しい発見を楽しめる場を提供してきました。今回の TuneIn との連携を通じて、Apple のエコシステムを超え、世界中のあらゆる場所の音楽ファンに向けて、この体験をより多くの方にお届けできるようになります」