
音楽業界で注目度が高まるDiscord。ロンドン拠点のスタートアップ「Levellr」は、ユニバーサルミュージックやソニーミュージック、ワーナーミュージックのレーベルやアーティストがDiscord上でファンと直接繋がるコミュニティを構築するための支援を数多く行ってきました。先日、同社は、クライアントがDiscordのコミュニティをより深く理解するための新機能「AIソーシャルリスニングツール」の提供を始めました。
Discordに特化したこのAIツールは、ユニバーサルミュージックやワーナーレコード、その他の音楽クライアントのチームなど、すでに50社以上の企業に利用されており、現在、毎月1,000万件以上のパブリックなチャットメッセージを解析しています。これにより、レーベルやアーティストチームは、ファンやコミュニティでどんな会話が行われているか、ファン行動や購入行動の動機を理解することが可能になります。Levellrは、このツールを活用して、アルバムの考察やアーティストの嗜好、次にツアーで訪問してほしい都市、ファンの趣味など、ファンが関心あるテーマや感情的トーン、新たなトレンドが追跡できる、と述べています。Levellrのツールは、従来のいいね数やフォロワー数などの表面的な指標に焦点を宛てたソーシャルリスニング・ツールと異なり、ファンの熱量と長期に渡る価値に繋がる感情や行動の兆しを追跡する狙いがあります。
Levellr音楽部門責任者のタズ・シャープ (Taz Sharp)は次のように述べています「スーパーファンは音楽ビジネスの原動力です。しかし今まで、彼らを理解する方法は推測しかなく、膨大な作業時間を費やすだけでした。このツールが変えます。私たちは混沌としたDiscordチャットを洞察の宝の山に変えていきます。ファンが何を発言したかだけでなく、何を気にしているかを示します。これは、繋がりや忠誠心、そして、より賢く戦略を構築する上での全く新しい方法です」