Amazonのポッドキャスト・オーディオブック・サブスクリプションの「Audible」は、米国を含む6カ国で、月額8.99ドル (約1,400円)の低価格な「スタンダードプラン」を新たに提供する。新プランは、既存のプレミアムプラス・プランの月額14.95 (約2,360円)より約6ドル(約950円)安く設定されている。提供開始国は米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア。Audibleは追加の市場でもテスト中と説明している。Audibleによれば、初期のテストでは、スタンダードプランは好調な会員獲得と維持を見せ、特に英国とオーストラリアでは、新規会員が2桁%増加するなど、強い需要を示した。なお、Audibleは日本ではスタンダードプランを月額880円、プレミアムプランを1500円で提供している。

スタンダードプラン利用者は、Audibleから毎月1冊オーディオブックが選べる特典が与えられる。加えて、Audibleがキュレーションしたライブラリを聴き放題で聴取できる。その中には、一部のAudible オリジナル作品や、人気のポッドキャスト番組を制作するAmazon傘下の「Wondery」が提供するサブスクリプション「Wondery+」で配信する約200タイトルも含まれる。一方で、スタンダードプランは、解約するとこれまで聴いたオーディオブックにアクセスできなくなる。

Audibleの最高財務・成長責任者であるシンシア・チュー (Cynthia Chu)は「スタンダードプランの開始は、世界中のストーリー愛好家の多様な好みと聴取行動を支持するというAudibleの継続的なコミットメントを反映しています。会員プランの選択肢を拡充することで、ライトユーザーが利用しやすい環境を最大化し、出版社やクリエイターが新しいオーディエンスにリーチできるようにします。これはオーディオブック市場全体の成長に繋がるウィン・ウィンです」と述べている。

Amazonが新プランを投入する背景には、オーディオブックやポッドキャストなど音声コンテンツへ人気が集まっている需要がある一方、各社の競争が激化している事情も避けられない。特にSpotifyとYouTubeは近年、ポッドキャストとオーディオブックに注力・投資して、勢力を拡大している。過去数年は、配信者や人気IPの獲得、制作スタジオの買収など積極的な投資戦略を各社が展開してきたが、最近は新プランの提供や、動画ポッドキャストの番組制作の増加、バンドルプランの開発、有料会員向けのコンテンツの提供など、差別化を計ってきた。

とりわけSpotifyは、音楽とポッドキャスト、オーディオブックを組み合わせたプレミアムプランの提供などで、有料会員の獲得と維持率を高めている。Spotifyは昨年10月、オーディオブックを聴く利用者数は過去1年で36%、聴取時間は37%増加したと発表した。またSpotifyのプレミアム会員の50%以上がオーディオブックを利用していると明らかにした。Spotifyによれば、同社のオーディオブック利用者は若年層が中心で、52%は18〜34歳だったと述べた。