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ブロックチェーンを活用してアーティスト・セントリックな分配を展開する、分散型音楽ストリーミングサービスのAudiusは、インディペンデント向けサービス大手のDowntown Musicと画期的な提携で合意しました。両者の取り組みの中には、Downtown Musicが管理する原盤および出版カタログ楽曲がAudiusで利用可能になることが含まれます。これによって、Downtown Musicのサービス経由で作品を配信するアーティストやレーベルは、Audiusを通じてファンと直接繋がる手段を獲得でき、楽曲から収益化する新たな選択肢を得られます。

Audiusにとって、この提携は契約規模では同社最大級のものとなります。同社のプラットフォームで利用できるようになる楽曲数は、数百万曲規模のライセンス済み楽曲に及ぶとのことです。Audiusには2024年時点で600万人以上のアクティブユーザーが集まっています。Audiusで配信するインディペンデントアーティストは、楽曲やグッズの価格を独自に設定でき、売上に対するアーティストとAudiusのロイヤリティ料率は90%、10%で、アーティストに有利な環境が用意されています。またアーティストは、コミュニティへの参加や、ファンのエンゲージメント数に応じて追加収益となるトークンが得られます。ファンは、アーティストが設定した価格で音楽やグッズを購入することで、アーティストの活動を直接応援できます。

Audiusはインディペンデントな音楽サービスやアーティストとの提携を強化しています。これまでに、DistroKid、EMPIRE、Kobalt、Nettwerk Music、Ninja Tuneなど多数と契約を結んできました。また、ASCAP、BMI、GMR、ICE、SESACなど、主要な著作権運用団体と契約を締結しています。

今回のAudiusとDowntown Musicの合意は、Downtown Musicが早ければ年内にユニバーサル ミュージック傘下のVirgin Music Groupに買収される可能性があることから、業界にとっても注目すべき取り組みです。Downtown Musicと契約するレーベルや配信アーティストが、今後どのような支援を受けるか、関心が高まる中、Audiusはその候補の一つになる可能性があります。