現代のグローバルアーティストは、世界中でどれほど需要があるのでしょうか? その指標の一つはチケットセールスです。プエルトリコ出身アーティストのBad Bunnyは、2025年11月から2026年にかけて行う世界ツアー『Debí Tirar Más Fotos World Tour』でチケット販売における世界記録を作ると見られています。ライブ・ネイションのデータによれば、既に260万枚以上のチケットを販売しており、興行収入だけで数億ドル規模に上るとの見込みです。この中には日本とドミニカ共和国の2公演のチケット販売収入はまだ含まれていません。

本ツアーは世界各地で驚異的な需要高を示しています。当初24公演として発表されましたが、最終的に公演数は18カ国、54のスタジアム公演にまで拡大しました。メキシコシティでは2公演から8公演に、コロンビアやチリ、アルゼンチンは1公演から3公演に公演数を増やしています。特にスペイン・マドリードでは、7万人収容のエスタディオ・メトロポリターノでのライブを2公演から10公演にまで増やすという高い需要があります。

ライブ・ネイションによれば、1000万人以上のファンがオンライン販売の順番待ちに参加したとのことです。先行販売において、販売速度と販売枚数でテイラー・スウィフトの「Eras Tour」が打ち立てた新記録を更新しました。メキシコでは、8公演のチケットを求めて、370万人以上のファンが殺到しました。また同国においてアーティストの一日での最多チケット販売記録も達成しました。コロンビアでも同国史上最多のオンラインチケット販売待機列を記録し、スタジアム3公演が24時間以内に完売しました。フランス、イタリア、イギリス、ポーランド、ポルトガル、スウェーデンにおいて、ラテンアーティストとして最多チケット販売数記録を樹立しました。今回のツアーで訪れる7カ国で、初めてスタジアム公演を行い、チケットを完売させたスペイン語のアーティストという記録も打ち立てました。

Bad Bunnyは2022年、米Billboardの年間興行収入ランキング「Year-End Boxscore Top Tours」で1位を獲得しました。当時のツアー「El Último Tour Del Mundo」「World’s Hottest Tour」ではそれぞれ60万枚以上、180万枚以上のチケットを販売し、興行収入は4.3億ドルを超えました。