アメリカのロックバンド「Twenty One Pilots」は、中国のEコマース大手「Temu」を提訴した。バンドはTemuが非論理的な手法でバンドの公式アーティストグッズの粗悪な模造品を流通させていると主張する。Temuを「権利侵害品や違法商品の一大温床」と非難し、公式グッズの露骨な模造品が多数出店されていると訴えている。訴状には、バンドのTシャツ、マグカップ、ポスターなど、多数の模造商品の写真が掲載されている。バンドは「これらはTemuが販売する商品の一端に過ぎず、氷山の一角を示す代表的な例に過ぎません」と述べている。
音楽業界では近年、アーティストグッズの偽物や模造品、またアーティストのIPやその他の権利を侵害・または無許可で使用した商品の販売が、大きな課題となっている。こうした中で、Temuに対する音楽業界内からの批判も高まっている。今回のTwenty One Pilotsの訴訟は、先日、2020年に亡くなったヒップホップアーティスト、MF Doomの遺産管理団体がTemuが彼の商標権を侵害した偽造のグッズを流通・販売させたとして提訴したケースと似ている。
興味深い点では、Temu内で「Twenty One Piolots」を検索しても商品は表示されない。しかしグーグルで「Twenty One Pilots Temu」を検索すると、複数の商品が確認でき、リンクをクリックするとTemu内の商品ページにアクセスできる。当然ながら、価格は公式グッズよりも大幅に低く設定されている。