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世界各国の音楽業界を代表する業界団体「IFPI」(国際レコード産業連盟)は、新たに東南アジアに特化した音楽チャート「The Official Southeast Asia Charts」を公開しました。対象はアジア6カ国で、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムのチャートが毎週更新されていきます。同チャートは、Spotify、YouTube、Apple Music、Deezerなどのグローバル・プラットフォームに加え、インドネシアのLangit Musikなどのローカル・ストリーミングサービスのデータを基に、6カ国毎のトップ20曲が集計されるストリーミング・チャートです。同チャートの集計には、インドネシアのASIRI、マレーシアのRIM、シンガポールのRIAS、タイのTECAの音楽業界団体との連携によIFPIが管理します。またデータ集計においてBMATが技術パートナーとして参加します。

フィリピンとベトナムは、今回が同国初の公式音楽チャートとなります。フィリピン初の公式チャートでは、Pinoy R&BアーティストのDionelaの「Marilag」が1位を獲得しています。2024年11月に配信された同曲を含めて、Dionelaは3曲がチャートインしました。ベトナムでは、同国アーティストのDương Domicの「Mất Kết Nối」が1位を獲得しました。トップ10楽曲のうち8曲がベトナム人アーティストの楽曲で占められており、東南アジアでは、ローカルアーティストがストリーミングで大きな成功を収めていることが分かります。

IFPIは、新チャートの導入において、同団体のチャート基準に基づき、加重ストリーミング計算法(Weighted Streaming Calculation)を導入しています。この仕組みにより、チャートには、無料ストリーミングと有料ストリーミングの経済的価値の違いが明確に反映されます。単純な再生回数の集計ではなく、ストリーミングサービスの収益価値を考慮した公平なランキングが実現されるため、アーティストやレーベル、他国の音楽業界は、各国のストリーミング市場の価値やヒット曲を適切に評価することができます。