
世界中のインディーレーベルとディストリビューターのデジタルビジネスを支援するエージェンシー、Merlinは、音楽業界のストリーミング詐欺や違法行為の撲滅を目的とする団体「Music Fights Fraud Alliance」(MFFA)に加盟したことを発表しました。
MFFAは2023年に設立されたグローバルなタスクフォースで、20以上の企業が参加しています。その中には、Spotify、Amazon Music、Downtown Music、FUGA、CD Baby、Believe TuneCore、DistroKid、Symphonic、UnitedMastersなど、ストリーミングサービスやディストリビューターが名を連ねています。
Merlinでは今年、「コンテンツ・インテグリティ・ディレクター」職を新設し、サラ・マクナブ (Sarah McNabb)を採用しました。同氏はMerlin内の横断型タスクフォースを主導し、メンバー企業に対して不正行為の防止・検知・対策に関する支援や事例の提供を行っていきます。
同団体の取り組みの一つは、アメリカの非営利団体「全米サイバー犯罪科学訓練同盟」(NCFTA」と連携して、特定の詐欺行為に関するデータベースを共有し、メンバーがリアルタイムで詐欺行為を追跡・調査・対応出来るようにしています。
さらなる成長を目指す音楽業界にとって、ストリーミング詐欺や違法行為、人的操作された再生、ボットファームの使用などは、音楽エコシステムを脅かす重要な問題となっています。近年は、AIで生成された音楽をストリーミングプラットフォームに大量配信することで、配信者が不当にロイヤリティ収入を得る犯罪行為が浮上しています。今後も新たな詐欺手法が生み出されることを考えれば、DSP各社の対処だけでは足りないのが現状で、クリエイターの権利や音楽の正当な利益を保護する上でも、ディストリビューターや権利者、アーティストなど業界や国を横断した連携が求められています。