ソニー・ミュージックパブリッシングやユニバーサル ミュージック パブリッシング グループ、ワーナー・チャペルなどメジャー音楽出版社に加えて、独立系音楽出版社を代表する、米国の音楽業界団体「NMPA」(全米音楽出版社協会)は、Spotifyが導入した新しいプレミアムプランのバンドルが、作詞作曲家への収益分配料率の低下を助長する、として、同社に対抗する姿勢を表明しています。

Spotifyは、プレミアムプランにオーディオブックをバンドルする新たな料金形態「オーディオブック・アクセス・ティア」を始めました

月額9.99ドルで、25万タイトル以上のオーディオブックを毎月15時間視聴できるプランが、3月から始まっています。

その一方、Spotifyは現行のプレミアム会員に対して追加料金無しで、音楽もオーディオブックも再生できるようにしました。

Spotifyのオーディオブック・プランの導入によって、プレミアム・プランは「バンドル」扱いに再分類されます。そのため、米国では、Spotifyは、バンドルを提供するサービスとなり、米国の作詞作曲家に支払うメカニカル・ライセンス料 (録音権)を引き下げることが可能になります。

この料率は、2022年にNMPAおよび音楽出版業界と音楽ストリーミングサービスの間で合意された条件に含まれています。

米国では、音楽ストリーミングサービスは、「バンドル」プランを導入する場合、サービス事業者は権利者に対して録音権使用料をより低い料率で支払えることが可能になっています。これまでは、主に、自社の複数サービスを統合したプランが、バンドルに該当しており、AmazonプライムやApple Oneなどが含まれます。

Spotifyの作詞作曲家に対する料率引き下げを受けて、NMPAのCEO、デヴィッド・イスラエライト (David Israelite)は、「Spotifyは、彼らのビジネスに欠かせないソングライターを攻撃するようになりました」と、声明の中で警鐘を鳴らします

そして、NMPAは、Spotifyの取り組みがバンドルとして適切に分類されないと判断される場合、業界団体は、米国におけるストリーミングの録音権料率を決定するCRB (全米著作権使用料委員会)に提訴することなど、あらゆる選択肢を検討している、と述べます。

「私たちは、2022年に合意した条件をSpotifyが曲解することに断固として立ち向かいます」

Spotifyは、NMPAの批判に対して、同社の見解を発表しました。

「Spotifyは、2023年より2024年には、音楽出版業界や業界団体に支払う額が増える見込みです。私たちの製品ポートフォリオの変更は、ストリーミングサービスと音楽出版業界で合意した条件に基づいており、弊社がさまざまな方法で収益を分配することを意味します。複数のDSPは、以前から、バンドルプランでは、単体の音楽サブスクリプションよりも低い料率を支払っており、私たちのアプローチは一貫してきました」

バンドルは、現在では音楽ストリーミングサービスのプランにおいて一般化しています。そして、Spotifyは、バンドルの正当性を主張し続けるはずでしょう。しかし、NMPAは、Spotifyが音楽とオーディオブックを現行のプレミアムプランに再編しバンドル扱いすることで、作詞作曲家に対する収益分配を引き下げを狙うとして、反対する意向を続けていくつもりです。