調査会社のCounterpoint Researchが、世界の音楽ストリーミング市場規模に関する最新の見積もりを発表した。3月末時点で、世界の音楽サブスクリプション登録件数は3億9,400万件となり、前年同期比で35%増となったという。

 Counterpoint Researchは、一部の大手ストリーミング・サービスに関する推定値も提供しており、2020年第1四半期末時点において、Spotifyはサブスクリプション登録件数の33%、サブスクリプション収益の30%、Apple Musicはサブスクリプション登録件数の21%、サブスクリプション収益の25%を占めていたと示唆している。

 しかし、最も大きな成長を遂げたのはAmazon Musicだ。Counterpoint Researchによると、Amazon Musicのサブスクリプション件数は、前年同期比で倍以上となる104%増となり、サブスクリプション収益のシェアは、4位のYouTube Music(9%)および、5位のPandora(5%)よりも多い12%だったとのこと。

 (一つ奇妙なこととして、Counterpoint Researchは、COVID-19の大流行が、第1四半期における音楽サブスクリプション登録件数増加を加速させたと主張しているが、世界中のほとんどの地域では、3月中旬ごろまで、ロックダウンがスタートしておらず、第1四半期においてCOVID-19が影響したのは、ほんの数週間程度だったと思われる。むしろ、COVID-19がもたらした影響は、良いか悪いかにかかわらず、第2四半期に如実に現れることになるだろう。)

 調査会社のMidia Researchも先月、似たような分析を発表している。Midia Researchは、今年の第1四半期末時点における、世界の音楽サブスクリプション登録者数は、前年同期比30%増となる4億人であったと推定していた。

 Counterpoint ResearchとMidia Researchの見出しの数字および、これら二社による市場シェアの分類方法には違いがあるが、最も重要な傾向は明らかだ。有料の音楽サブスクリプションが引き続き着実に成長していること、成長率ではAmazon Musicが圧倒的な勢いを見せていること、そして、中国に焦点を当てているテンセント・ミュージックに加えて、世界的には現在、「三大音楽サービス」の構図が出来上がりつつあることが挙げられる。

 もちろん、これらは全て、調査会社による推定数値だ。公式統計としては、国際レコード産業連盟によって発表された2019年度の『Global Music Report』が最新であり、それによると、2019年末における「有料サブスクリプション・ユーザー数」(家族プラン内の無料ユーザーを含む)は3億4,100万人であり、サブスクリプションからの収益は2019年24.1%成長したとのこと。