投稿公開日:2025-08-14 投稿カテゴリー:音楽ストリーミング ソニー・ミュージックは、音楽ストリーミングサービスのナップスターを提訴しました。訴状によれば、ソニー・ミュージックに対して、ナップスターは1年以上に渡りロイヤリティ支払いを行っておらず、未払額は920万ドル以上 (約14億円)にのぼるとされています。この状況を受けて、ソニー・ミュージックは、今年6月、ナップスターとのライセンス契約を解除し、同社のカタログ楽曲や、SME傘下のディストリビューターのThe OrchardやFoundation Mediaなどの楽曲の配信を停止しました。しかし、ナップスターは、契約解除後も、ソニー・ミュージックの楽曲やミュージックビデオを許可無く配信し続け、ロイヤリティ未払に加えて、著作権侵害に該当する可能性も訴状で指摘されています。音楽業界では、ナップスターのロイヤリティ未払い問題は、以前から懸念されてきました。今年1月には、複数のレーベルとディストリビューターが、ナップスターからの支払が遅延する問題を明らかにしていました。また、6月には、米国の著作権管理団体の一つであるSoundExchangeが、340万ドル以上 (約5億円)ロイヤリティ未払いを理由にナップスターとSonosを提訴しました。ナップスターは、Sonosが運営する非インタラクティブ型音楽ストリーミングサービス「Sonos Radio」の基盤システムを提供しており、未払いはナップスターがシステム運営に関わっていた2022年から2023年に発生していました。ナップスターは今年3月、メタバース・eコマース企業のInfinite Realityによって2億700万ドル (約310億円)で買収されました。未払問題は、買収される以前から続いており、買収後も改善されていないことが伺えます。買収額ほどの資金力を考慮すれば、債務の解消は容易だったはずですが、問題を先送りする企業体質を変え、早急な対応が求められます。