米国連邦地方裁判所は、ついにアップルに対して、アップストアを利用するアプリ開発者に義務付けてきた手数料の禁止命令を下しました。連邦地裁は、アプリ開発者がアップストア以外の外部決済手段へ案内できるよう義務付けた裁判所命令を、アップルは故意に従わなかったと判断。この訴訟の原告は、人気ゲーム「フォートナイト」を運営するエピックゲームズです。同社は、アップルが裁判所命令に従っていないと、異議を申し立てていました。

Spotifyは、この決定を歓迎すると同社のブログで反応を示しました。そして、早速、米国ユーザー向けの新機能を搭載したiOSアプリのアップデートを行いました。これにより、Spotifyユーザーは、アップルの決済方法を使わず、Spotifyの公式ウェブサイトから直接サブスクリプションを登録出来るようになります。また、アプリ内でサブスクリプションの価格や割引キャンペーンなど、価格情報がより明確に表示されます。ユーザーは、好きなプランをワンクリックに選択でき、アップルの決済手段以外に幅広い支払い方法を選ぶことができるようになります。今回のアップデートを基に、今後はオーディオブックなどコンテンツ毎の少額決済にも対応する予定です。

Spotifyはブログ投稿で「今回の画期的な裁判所の決定は、Spotifyを通じてビジネスを構築し、ファンに作品を届けたいクリエイターに対して、揺るぎないビジネス機会を開く可能性をもたらします」と述べています。

一方、今回の命令によって起こる変更がアプリ開発コミュニティで広がれば、アップルにとって、年間で数百億ドル以上にのぼるアップストアの売上高に大きな打撃となる可能性があります。アップルは、今回の決定に強い異議を唱えており、引き続きアップストアの運営方針とアップルの決済システムの正当性を主張するため、カリフォルニア州裁判所に控訴しました。