Spotifyは、早ければ6月にも、数十カ国でサブスクリプション価格の値上げを実施する見込みと報じられました。フィナンシャル・タイムズの報道によれば、Spotifyの値上げは、ヨーロッパ及びラテンアメリカで行われる模様です。個人向けプレミアム・プランは、現行の10.99ユーロからさらに1ユーロ相当の値上げが予定されています。

Spotifyは2025年に入り、オランダやベルギー、ルクセンブルクなど一部の国で値上げを実施しました。オランダとルクセンブルグでは、個人向けプレミアム・プランの値段は10.99ユーロから12.99ユーロに上昇しました。同時にファミリー・プランは17.99ユーロから21.99ユーロへ。Spotify Duoプランは14.99ユーロから17.99ユーロへ値上がりしました。加えて、学生プランも5.99ユーロから6.99ユーロへ価格が改定されました。一方、ベルギーでは個人プランは11.99ユーロ、ファミリープランは20.99ユーロに値上げしました。

Spotifyの価格改定は、一部の利用者からは反発が起こるかもしれませんが、メジャーレコード会社や音楽業界の関係者、権利保有者からは歓迎される取り組みです。メジャーレコードや業界は、ここ数年、音楽サブスクリプション各社に対して、定期的な価格改定を世界規模で実施するよう、圧力を強めてきました。

音楽業界は、音楽サブスクリプションの料金がインフレ率に追いついておらず、長年据え置きが維持されたままの点を課題と捉えています。また、SpotifyやApple Musicなどは、NetflixやDisney+といった動画サブスクリプションと比較しても割安な料金設定が維持されたままです。Netflixのスタンダードプランは月額17.99ドル、プレミアム・プランは24.99ドルです。Spotifyは現在、2024年末時点でサブスクリプション利用者数が2億6300万人に達しました。同社の価格改定が、競合他社にも追随を促す可能性に繋がるか、注目が集まります。