
音楽ストリーミングサービスからの収益分配は、アーティストやソングライター、音楽プロデューサーに多くの機会や新たな収益源をもたらした一方、常に新作を配信し続ける上でのプレッシャーや、経済的な課題など、音楽業界全体で新たなストレスを生んでいます。こうした状況を改善すべく、DSP各社は、アーティストや音楽クリエイターたちのウェルビーイングやメンタルヘルスの向上を支援する取り組みを展開しており、定期的にプログラムの拡充・開発を行っています。
Spotifyは先日、同社が展開するメンタルヘルス支援プログラム「Heart & Soul」を大幅に拡張し、アーティストに提供する具体的なプログラムを発表しました。
・Spotify内に「Mental Health for Creators」ハブの新設と、メンタルヘルスに関するリソースの提供
・BacklineやMusic Minds Matterと連携した1対1のセラピーセッションの助成金の提供
・Backlineとの協業によるグローバル・リソース・ハブの立ち上げ
・ソングライターやアーティストを対象にしたメンタルヘルスに関するイベントの開催
BacklineとMusic Minds Matterとの連携では、EQUAL、GLOW、RADARプログラムに参加するアンバサダーアーティスト向けに、米国・英国でセラピーを受けられる助成金を提供します。この助成金はセラピー費用を補填し、アーティスト自身以外には、バンドメンバーやチームメンバーも譲渡可能となっています。またBacklineは、グローバル向けのサポートとして、コンシェルジュ型メールサービスを開始します。global@backline.care とのやり取りを通じて、アーティストやクリエイターに向けて、それぞれの国の支援プログラムやメンタルヘルス制度を案内するなど支援を提供していきます。
Spotifyが支援・連携する団体には、Backlineに加えて、MusiCares、Music Health Alliance、Music Minds Matter、The Busyhead Project (アメリカ人シンガーソングライターのノア・カーン主催のメンタルヘルス支援団体)が含まれています。