インディペンデントなアーティストやレーベルにディストリビューションやマーケティングサービスを提供しているSymphonic Distributionは、アーティストと熱心なコアファンを繋ぎ収益化するツールを開発するスタートアップ「Bonsai」とパートナーシップを発表しました。
Symphonicを利用して配信するアーティストは、Bonsaiのツールを使って、ファンが投稿した質問にオーディオファイル形式で答えた「オーディオグラム」を送ることができます。
ファンはアーティストに向けた質問を投稿するには、Bonsaiのシステムを使った課金が必要となります。アーティストが自由に料金を設定できるため、アーティストはファンとの交流の機会を新たに作れるだけでなく、新しい収益源の確保にも繋がります。
ファンは、アーティスト本人から届いた、唯一無二のオーディオグラムをデジタルコレクティブとして集めたり、シェアできます。
オーディオグラムには、自動生成されたアートワークが付いてくるため、集める楽しみも広がります。
オーディオグラムはNFTとしてミントすることも可能で、将来的には、コンテンツへの先行アクセス権として活用や、ロイヤリティ収入をアーティストがファンと共有することも視野に入れるなど、Web3ツールとしての活用もあります。
Bonsaiは、2022年にローンチして以降、Amir Obè、The Faim、Diara Dylla、Fly By Midnight、The Holdupなど、30組以上の新進気鋭なアーティストにテスト利用されています。Symphonic Distributionとのパートナーシップは、Bonsai初の企業との連携です。
昨今では、アーティストが、熱心なファンや、スーパーファンとコミュニケーションを行うデジタルツールの選択肢は増えてきましたが、一般的には、SNSのチャット機能や返信機能といった既存のツールが中心となるため、アーティストが独自の料金設定やルールを作ることには、制限がかかることが少なくありません。
そのため、アーティストのコアファンをターゲットにするなど、ファンとより深く繋がるツールの需要は、今後も注目されるはずでしょう。
加えて、Bonsaiのように、自分の活動範囲内でマネタイズできるアーティスト向けツールも必要性が増えると見込まれ、ディストリビューターがこうしたツールを提供しているところも新しい動きと言えるでしょう。