• 投稿カテゴリー:音楽業界

ユニバーサル ミュージック グループが注力する海外市場の一つはインドで、同社のグローバル戦略における重要な拠点となりつつある。この動きをさらに加速させるため、ユニバーサル ミュージックは、インドの映画制作会社「エクセル・エンターテインメント」の株式30%を取得した。

1999年設立のエクセルは、ボリウッド映画の制作およびサウンドトラック制作で、数多くの作品を手掛けてきた。今回の契約で、ユニバーサル ミュージックは、エクセルのプロジェクトで今後制作される全てのサウンドトラックの全世界ディストリビューション権を取得する。楽曲の配信は、ユニバーサル ミュージックが新設するエクセル専門のサブレーベルから配信する。また、ユニバーサル ミュージック パブリッシングがエクセルの独占音楽出版パートナーを務める。

エクセルは2019年にインド初のヒップホップ映画『ガリーボーイ』を制作し、同作は2019年公開のボリウッド映画興行収入9位、海外興行収入1位となる人気を集め、第92回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた。また、Amazon プライムビデオ向けに制作したインド初のオリジナルドラマ『インサイドエッジ』は、2018年の国際エミー賞最優秀ドラマ部門にノミネートされるなど、高い国際的な評価を受けている。さらには、Amazonプライム・ビデオのドラマ『ミルザープル 〜抗争の街〜』は、2026年に映画化が決定している。

この契約はインド市場とインド・コンテンツの世界的な人気の高まりを示している。今後、ユニバーサル ミュージックと契約するアーティストや同社のカタログ楽曲が、将来のエクセル作品に採用される可能性も生まれる。またAmazonプライム・ビデオやNetflixなどが配信するインド映画やドラマのサウンドトラックから、世界的ヒットが生まれることに期待が高まる。インドへの近年の積極投資は、ユニバーサル ミュージックにとって大きな戦略転換とも言える。同社のインド法人は長年「ローカルアーティスト育成」に注力してきた。そのため、サウンドトラック制作や権利取得は注力分野ではなかったが、再び映画・ドラマ音楽への投資を本格化している。