
X (前Twitter)は、引き続き、深刻なユーザー離れに直面しています。EUの「デジタルサービス法」(Digital Services Act, DSA)に基づき、プラットフォーム各社にはユーザー数に関する定期的な透明性報告レポートの公開が義務付けられています。その中で、Xが2025年4月に発表した最新のレポートによれば、過去12カ月でヨーロッパ地域のユーザー数が大幅に減少したことが明らかになりました。
2024年8月以降、Xのヨーロッパにおける月間アクティブユーザー数 (MAU)は2024年の1億920万人から9480万人へ13.2%も減少しました。最新の数値では1,400万人以上のユーザーを失いました。最も大きな減少が見られたのはスペインの330万人減、フランスの250万人減、ポーランドは440万人減と、大きな減少が各地で起きています。このアクティブユーザー数はログイン済ユーザーと非ログイン・ユーザーの両方を含みます。
今回の利用者データは、Xのコンテンツのリーチ力や、コンテンツの波及ツールとしての価値に対して懸念を示す内容です。Xは今でも世界中では月間アクティブユーザーは5億人以上を維持している巨大なSNSです。しかし、今回同社が示したデータからはユーザー離れは加速しており、プラットフォームとして今後、増加するとは考えにくい状況です。
さらに、Xのデイリー・アクティブユーザー数 (DAU)は2億5000万人から増加しておらず、横ばい状態にあると伝えられています。ただし、Xはイーロン・マスクが経営権を取得して以降、非上場企業となったため、詳細な利用者データの開示義務が無いため、他地域の利用者の推移を把握することは不可能です。とは言え、現状のデータを見る限り、他地域でも同様にユーザー離れが進んでいる可能性は高いと考えられます。