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ワーナーミュージック・グループは、アジア太平洋地域 (APAC)を統括するワーナーミュージックAPACの新社長にロ・ティンフェイ (Lo Ting-Fai、通称Lofai)を任命しました拠点は香港で、本社CEOのロバート・キンセルに報告します。今後、APAC各国の音楽事業責任者は、全てティンフェイ氏に報告する新体制となります。これまでWMGのAPAC地域を統括してきた、海外事業社長のサイモン・ロブソン (Simon Robson)は、ヨーロッパ・中東・アフリカ (EMEA)の統括担当になります。

ワーナーミュージックは全世界的な組織再編の最中で、各地域や専門分野を担当する経営陣を刷新しています。キンセルCEOは、昨年からAPAC事業統括職を新設することを公言していました。WMGにとって、アジア地域は、同社が目指すグローバル成長戦略の注力領域です。

ティンフェイは香港の通信会社大手「PCCW」からWMGに加わり、これまでPCCW子会社で、コンテンツ制作・アーティストマネジメント・ライブイベントを専門にする「MakerVille」のCEOや、アジア地域向け動画ストリーミングサービス「Viu」のCOOを務めてきました。また「Yu Ri」名義でヒット曲を手掛けるソングライターとしての経歴も持っています。2010年にPCWW入社する以前の彼は、AppleのAPAC地域のクリエイティブ・ディレクターを務めていました。それ以前は、Wieden+KennedyやCTWCMなどグローバル広告代理店でキャリアを積んできました。

ティンフェイは、社長就任にあたり、次のように述べています「素晴らしい役職につけることを大変嬉しく思います。WMGは、変化が続く音楽業界にて『音楽企業のあり方』を再定義しており、APAC地域での成長に大きな野心を持っています。ロバートをはじめ、世界各国のWMGチームと協力し、数多くのアジア発アーティストが世界の舞台で活躍できるように支援しながら、素晴らしいカタログ楽曲をさらに強化し、情熱的かつ忠実なファン層を構築するための新しい革新的な方法を追求していきます」

キンセルCEOは次のように述べています「Lofaiは、現在そして将来にわたり、次世代の才能、象徴的な著作権、文化的に多様な音楽シーンを持った、当社の最重要市場の多くを統括していきます。彼は、この重要な役割に、創造性、ビジネス性、デジタル経済全体を網羅する人脈をもたらしてくれます。私たちは協力して、最大規模のクリエイティブと商業的な影響力を持つアーティストの発掘と育成、一連のサービスの進化、そして、地域全体でのし上シェア拡大に取り組んでいきます」

ワーナーミュージックでは、2024年12月にワーナーミュージック・ジャパンのCEO兼社長に、前ユニバーサル ミュージック ジャパン / EMIレコード・ジャパンの岡田武士が就任。ワーナーミュージック・チャイナでは2021年に中国の音楽事業責任者にシェリー・タン (Sherry Tan)を任命するなど、アジア地域でのアーティスト発掘や育成への投資と体制を強化してきました。