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中国最大の音楽サービス、テンセントミュージックは、2021年Q3(7-9月期)の実績を発表しています。同社の売上高は78億1000万人民元(約1380億円)で、前年比3%の増加となりました。オンライン音楽サービスからの売上高は24.3%増加して28億9000万人民元(約510億円)。

注目は同社の音楽サブスクリプション事業で、売上高は前年比30.2%増加で19億人民元(約335億5800万円)。

テンセントミュージックの有料音楽ユーザー数はこれで7120万人を超えました。この中にはサブスクリプションに加えてデジタル・ダウンロードのユーザーも含まれます。一年前は5170万人だっただけに、中国でもコロナ禍で音楽を有料で再生しようという人が着実に増えていることが伺えます。

テンセントミュージックの月間アクティブユーザー数は6億3600万人に伸びています。

同社の会長Cussion Pangは、2021年の業績における課題として、中国政府が課した規制と、短尺動画サービスとの競争をあげました。

動画サービス 「抖音(Douyin)」を運営するByteDanceに対しての競争力を高めるため、テンセントミュージックではQQ MusicとKugou Musicに動画とSNS機能を強化するなど、サービス利用時間の改善を図っています。

テンセントミュージックではまた、インディペンデントアーティストへの投資も活性化しています。同社で発足した「Riding on the Wind Plan」プログラムでは、アーティストを著名なソングライターや作詞家と組ませ楽曲制作を行う取り組みを始めました。

また「One Hundred Million Yuan Incentive Plan」を立ち上げ、楽曲制作やコラボレーションの資金援助を行うなど、アーティストやクリエイターの創作活動を経済面でも支援しています。

テンセントミュージックで配信するインディーアーティストの数は26万組以上。年間で二桁の速度で増えており、テンセントのアプリエコシステムにより多くのアーティストが参加してきたことを意味しています。

さらにテンセントミュージックはレーベルやアーティストがより多くのリスナーを世界で獲得するためのディストリビューションサービス、「TME Music Cloud」を始めました。パートナー第一弾としてApple Musicへの配信が始まります。テンセントミュージックのディストリビューションチームによって、世界のDSPへ中国人アーティストの楽曲配信が行われる仕組みです。