
TikTokは、アーティストやレーベルがTikTok上で配信する楽曲やコンテンツのデータを分析できる、新たなプラットフォーム「TikTok for Artists」のテスト運用を開始しました。TikTokによると、これは、アーティストやチームがTikTok上でのファンエンゲージメントを強化するための各種分析ツールにアクセスできるプラットフォームと説明しています。
TikTokは既にアーティストに招待メールを送信しています。現在は、日本、韓国、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランドでテストが始まっています。これまでTikTokでは、他社DSPと比べ、アーティストに特化した分析ツールはありませんでした。
Music Allyに対して、TikTokのスポークスパーソンは、上記の5カ国でテスト運用を行っていることを認めました。そして、今後さらに多くの市場で順次展開を予定していること、数週間以内に「TikTok for Artists」に関するさらなる情報を発表する予定とコメントしました。
TikTok for Artistsには次の機能が含まれています。
・楽曲や投稿の実績に関する詳細な分析
・ファンが反応したコンテンツに関するエンゲージメント・データ
・TikTok上で音楽をプロモーションするツール
・Apple Music、Spotifyでプリセーブを活性化するキャンペーン設定機能
TikTok for Artistsには、アーティスト向けのログインページからアクセスできます。参加アーティストは、TikTokのアーティストアカウントが必須となっています。アカウントの管理者はチームメンバーにアクセス権を付与できます。レーベルが参加するには、TikTokのMediaMatchアカウントでの認証が求められます。
TikTokは近年、アーティストやレーベルにおける主要なプロモーション・プラットフォームの機能を果たしてきました。加えて、アーティストや音楽クリエイターとの関係を強固にする取り組みも進めています。その一環では、独自のディストリビューション・サービス「SoundOn」の提供を世界中で拡大させており、TikTokでの収益化やリーチを強化したいインディペンデント・アーティストの参加を増やしています。
一方、TikTokの今後についての議論は決着が付きませんでした。アメリカのトランプ大統領は4日、TikTokのアメリカでの事業売却の期限をさらに75日間延長することを発表しました。4月5日だった期限が延長されるのは2度目で、次回の期限は6月中旬に設定されます。TikTokのアメリカ事業の買収には、既に関心を示す企業や投資家が現れています。オラクル主導のコンソーシアムの他に、マイクロソフト、アマゾン、Perplexityなどが関心を示しています。