中国最大の音楽サービス、テンセント・ミュージック・エンターテインメント (TME)は、先日発表した2025年Q2 (4月-6月期)の決算発表は同社の音楽サブスクリプション事業からの売上が引き続き強い成長を維持していることを示しました。同社の売上高は84億4000万人民元 (約1,740億円)で前年比17.9%の増加でした。

音楽サービス事業の売上高は68億5000万人民元 (約1,410億円)で前年比26.4%の増加。音楽サブスクリプションの売上高は43億8000万人民元 (約903億円)で17.1%の増加と、強固な成長を示しました。ソーシャル・エンタテインメント事業は8.5%減少し、15億9000万人民元 (約328億円)。QQ Music、Kugou Music、Kuwo Music、WeSingなどを含む音楽サービス事業の好調な売上は、低迷が続くソーシャル・エンタテインメント事業の売上減少を相殺しました。

音楽サブスクリプション会員数は6.3%増加し1億2440万人に増加。音楽サブスクリプションからの売上は総売上の64%を占めるまで拡大してきました。

テンセント・ミュージックの好調な売上を支えているのは、高価格帯のサブスクリプション・プラン「SVIP」の会員獲得の成功です。SVIP会員数は1,500万人を突破し、これはサブスクリプション会員数全体の約12%に相当します。通常のサブスクリプション (8人民元、約165円)に比べ、SVIP会員は約5倍の40人民元 (約825円)を支払っています。そのため、テンセント・ミュージックでは注力戦略の一環で、SVIP会員向けのプログラムの拡充を行っており、通常のサブスクリプション会員からSVIP会員へのコンバージョンの強化を図っています。

SVIP会員専用の体験では、高音質での再生 (Kugou MusicのVIPER HiFi、ワンクリック音質強化2.0のローンチ)、先行デジタルアルバムへのアクセス (A-LinとJJ Linの『Hold Me Close』、Jolin Caiの『Pleasure』)、コンサート・チケットへの先行アクセス (G-DRAGON、BLACKPINK)、アーティストとコラボレーションしたカード・シリーズの提供 (JC-T、Silence Wang、aespa)などが上げられ、アーティスト連携型の特典がSVIP会員獲得に繋がっています。