今年1月、音楽ストリーミングサービスのDeezerは、同社プラットフォームに毎日約1万曲の完全に生成AIで制作された楽曲がアップロードされていることを明らかにしたこれは同サービスに毎日納品される楽曲の10%に相当する。4月には、1日あたり2万曲を超え、全納品楽曲の18%を占めた。9月には1日3万曲を突破し、毎日納品される楽曲全体の28%を占めるまで拡がった。

そして今月、Deezerは、1日あたり約5万曲の完全AI生成楽曲がアップロードされており、納品楽曲の34%までその規模が拡大したことを発表した。

https://newsroom-deezer.com/2025/11/deezer-ipsos-survey-ai-music/

同時に、Deezerは、生成AI楽曲に関する調査をIpsosと実施し、その結果を公開した。調査には、日本、米国、英国、ドイツ、フランス、ブラジル、オランダ、カナダの8カ国・約9,000人が参加した。調査で最も目を引く内容は、「完全AI生成の楽曲」と「人間が制作した楽曲」の聴き比べテストだ。結果、97%の回答者が判別に失敗した。そして、回答者の71%はこの結果に驚いたと答え、52%は「判別できない」ことに不快感を感じたと回答した。

調査では、音楽ストリーミングサービスがAI生成音楽であることを明示するなど、透明性確保への取り組みの需要が示された。回答者の80%は「完全AI生成の楽曲は、リスナーに対して明確にラベル表示されるべき」と答え、73%は「自分が利用するストリーミングサービスは、完全AI生成楽曲をレコメンドしているかどうか知りたい」と答えた。音楽ストリーミング利用者の66%は「好奇心から完全AI生成の楽曲を少なくとも一度は聴く」と答えた一方、45%は「完全AI生成の楽曲を自分のストリーミングサービスではフィルタリングしたい」と答え、40%は「完全AI生成の楽曲が流れてきたら、再生せずスキップする」と回答した。

音楽チャートでの取り扱いについては、52%が「完全AI生成の楽曲は、人間が制作した楽曲と並んで主要チャートに含まれるべきではない」と答え、「AI生成楽曲と人間制作の楽曲は同等に扱われるべき」との回答はわずか11%に留まった。

さらに回答者の69%は「完全AI生成の楽曲の収益分配は、人間が制作した楽曲よりも低く設定すべき」と答えた。収益分配の差別化は、Deezerをはじめ、主要ストリーミングサービスでは導入されていない。ただし、Deezerでは、ボット再生や再生水増し行為などストリーミング詐欺行為が検知された時、対象の楽曲への支払いを停止する処置を行っている。また、完全AI生成の楽曲は、アルゴリズムによるレコメンデーションや、公式プレイリストから除外している。