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ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)とNetflixは、複数年にわたるクリエイティブパートナーシップ契約を締結した。契約では、Netflixが独占的なファーストルック契約を持ち、ワーナー・ミュージックと契約するアーティストやソングライターを題材にしたオリジナル・ドキュメンタリーや映画を制作する権利を獲得する。ワーナー・ミュージックはまた、元エピック・レコード社長でアーティスト・ソングライターのアマンダ・ゴースト (Amanda Ghost)と、TV・映画プロデューサーのグレガー・キャメロン (Gregor Cameron)が運営する映像制作会社「Unigram」と提携した。同社は今後、長尺映像作品の制作を担当する。ワーナー・ミュージックとUnigramは、アーティスト本人または遺産管理団体と連携しながら、各映像プロジェクトを共同開発していく。Unigramは、ワーナー・ミュージック・グループのオーナーである投資家レン・ブラヴァトニック率いるAccess Industriesから支援を受けている。

発表時点で、映像化されるアーティスト名は明らかにされていない。WMGでは、プリンス、デヴィッド・ボウイ、フリートウッド・マック、レッド・ツェッペリン、ジョニ・ミッチェル、アレサ・フランクリン、マドンナといった歴史的なアーティストから、エド・シーラン、ブルーノ・マーズ、デュア・リパ、コールドプレイ、Charli XCXなど現代アーティストまで、世界中にファンを持つ幅広いアーティストのロースターに関わっている。加えて、音楽出版部門であるワーナー・チャペル・ミュージックは、100万を超える著作権カタログを保有しており、歴史的なスタンダードから、世界的ヒットまで様々なジャンルを網羅するため、既存のファンや新しいオーディエンスへリーチする上で映像化への期待は大きい。

Netflixは近年、世界中の様々なレーベルと連携して、音楽ドキュメンタリー映画やシリーズの制作と独占配信で活発に動いている。3月27日には『BTS:THE RETURN』の配信が始まった。2026年だけでも、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのロサンゼルス時代の初期を描いた『ライズ・オブ・レッド・ホット・チリ・ペッパーズ: 俺たちのヒレル』、イギリスのボーイバンド、テイク・ザットの歴史を振り返る『テイク・ザット ~30年の軌跡~』などを独占配信した。

ワーナー・ミュージックのCEO、ロバート・キンセルは次のように述べている「ワーナー・ミュージック・グループが持つIPと、Netflixのグローバル・リーチを組み合わせることで、世界中の新しいファンに当社のアーティストやソングライターを届けていく新たな機会を創出します」

Netflixのドキュメンタリー映画・シリーズ部門副社長のアダム・デル・デオは次のように述べた「Netflixにおいて、音楽が強いファンダムを生み出すことを私たちは実感して来ました。今回、ワーナー・ミュージック・グループ、そして同社が共に仕事をしている世界一級のアーティストたちと提携し、私たちの会員に向けて、さらに記憶に残る音楽ストーリーテリングを届けられることを楽しみにしています」

映像ストリーミング各社の競争が激しさを増す中、音楽ドキュメンタリーの視聴に対する世界的な需要は、以前として根強い。Netflixと競合するAmazonプライム、Disney+、Apple TV+、HBOなども、多くの音楽ドキュメンタリーの制作を手掛けている。コンサートの映像化や、最新作品の舞台裏を追いかけるスタイル以外にも、キャリア全体や活動時期、特定のテーマに焦点を当てるなど、制作のアプローチ方法も多様化しており、今後も多くのアーティストの映像作品に応用されることで、アーティストのブランド価値やカタログ楽曲の人気の再活性化、新たな収益化に繋がる余地がある。