イギリス人プロデューサーでエレクトロニック・アーティストのFred Againは、2025年10月から2026年2月にかけて欧米ツアー「USB002」を展開した。「10週間/10曲/10都市」形式で行われたツアーでは、毎週10曲の新曲が披露され、週を追う毎に、大物から新進気鋭まで数多くのゲストがDJとして登場し、より新鮮なセットリストと豪華な顔ぶれへ発展していった。しかし、これらの公演を撮影した映像がSNSで余り見かけることはそれほど多くない。なぜなら、今回のツアーはスマートフォンでの撮影禁止だったからだ。各公演の来場者は、会場に到着するとスマートフォンのカメラ部分にステッカーを貼られ、現場での没入感を最大化する仕組みが取られた。これは、Fred Againがファンに向けて(撮影よりも)今この瞬間のライブを体験してほしいというメッセージを発信したからだった。同時に、彼は、コンサートの写真や映像を後日公開すると、ファンに約束していた。
そして、先日、彼はファンとの約束を果たした。それだけでなく、さらに踏み込んだ形で実現させた。ファン向けに公開されたDropboxのフォルダを通じて、ライブの写真や映像、ポスター、アナログレコードのアートワークとテンプレート、コンサートで使用したアンビエント・ビジュアル、スローモーション・ビジュアライザーのビジュアル・ステムデータなど、ツアーの具体裏で使用されたデータまでもファンに共有したのである。
この狙いは、単にライブの思い出や記念をファンにデータで渡すだけではない。ファンには「USB002を実際に構成していた素材」へのアクセスを提供することだった。Dropboxのリンクを公開したInstagramストーリーズの中で、次のようにFred Againは説明した「自分たちが何をやっていたか、どう実現したか、痕跡を残していくことが徐々に好きになっていった。だから、各公演で撮影したものを全部まとめてDropboxフォルダで公開した。各公演で使ったその他のアートワークや、ライブ中に流した映像も全て見えるようにした」
Dropboxも全面的にこのプロジェクトを支援しており、同社のブログやSNSでも紹介している。
加えて、Fred Againは先日、Apple Musicと連携した独占コンテンツの配信も行っている。Apple Musicでは、Daft Punkのトーマ・バンガルテルがゲスト出演したDJミックスのライブセットを配信した。このライブは2月のロンドン・アレクサンドラ・パレスで行われた公演で録音されたものである。またApple Musicは12月31日に全世界で展開されたニューイヤーズ・イブ企画の一環として、ダブリンの3時間公演をApple Music、Apple Music Clubラジオ、Apple TVで配信した
今回のDropboxでのフォルダ公開は、ツアーに参加できたファンだけに限らず、参加できなかったファンも、ライブの記録や舞台裏までを辿れる貴重な体験となる。
